
生まれてしばらくののち寝返りをうつ。寝返りにも力が必要だろう。やがて這い這いをする。重い頭をあげる。つかまり立ち。立ちあがったほうが頭を持ち上げるよりラクだろう。そして、ひとり歩き。
初めてのお誕生を迎えたばかりでは、ふらつきながらも歩き、倒れてしまったら、這い這いとつかまり立ちを繰り返す。それから半年もすれば、ふらつきながらもこけなくなる。段差のあるステップを1段なら、上がったり下がったりする。左脳ではなく、どうやら右脳の発達が実現させているらしい。
目線の高さで飛び降りる5歳児
階段道(かいだんみち)
アフォーダンス affordance
「段差で育つ」
自身への行為と、他者とのふれあい
平沢弥一郎《「からだ」学ぶ体育教育を》
褐色脂肪細胞組織 BAT
時間とリズム
p198 養老孟司『唯脳論』文庫版
//前頭葉には計時細胞と呼ばれるものが存在するらしい。一定の時間間隔で放電するからである。こうした「短い繰り返し」は、時というより「単位の繰り返し」、すなわちリズムとして感じられる。運動系ではリズムが大切である。多くの運動は、一定のリズムを持っている。基本リズムの存在は、リズム自体よりも、それが一種の時計、あるいはむしろメトロノームや指揮棒として働くことに意味がある。運動の統制がとりやすいからである。//
p199
//会話では、われわれは意識せずしてリズムを合わせる。リズムが会わないと「疲れ」「シラける」。聞き手は聞くだけではない。適当に相槌を打つ。この周期をランダムにずらせば、話は進展しないであろう。//
//〔時間について〕長い時は、記憶に関係している。//
+ 養老孟司『唯脳論』文庫版 p199
p197 養老孟司『唯脳論』文庫版
//生物学的な時間が、物理的な時間と違って、きわめて多様であることは、誰でも知っている。夢中になっている時間は短く、「主観的」にはほとんどないと言ってもいい。「夢中」とはうまい表現であり、夢の中での時間は、前後関係すらよくわからない。//……//われわれが時計を使うのは、生物時間の多様性の現れである。視覚と物差のところで述べたように、われわれは長さの絶対尺度を持たないから、物差を持つ。//
※物差……”ハートスケール“
2023.4.21記す