神経細胞の束に意味はあるのか? | 学習ノート

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 「神経細胞の束」と表現して適切かどうか? 自信はないけれど、この章の、脳がもつ電気的性質を理解するために、これを表題につかった。

細胞外電場

p187
//1980年代におこなわれた実験では、イヌの骨格筋の誘電率を調べた結果、筋繊維の並びに平行に測定した場合と、筋繊維の並びに垂直にした場合では、10倍程度の差があり、平行に測定した場合、低周波領域では、細胞懸濁液の結果と比べて10倍程度大きな値を示すことがわかりました。//

p187
//線維などの方向性によって性質が異なることを異方性と言いますが、異方性があることが、ひょっとしたら私たちが底知れぬ馬鹿力を発揮することができる秘密なのかもしれませんね。//
火事場の馬鹿力

p178 低周波領域
//ラットの海馬のニューロンで得られたパラメータを用いて刺激を与えると、およそ10Hzで応答が最大になりました。//

p179
//たとえるならば、ラジオのように特定の周波数にチューニングして、感受性を高めているのかもしれません。//

p191
//誘電率を高めるには単に長い突起が存在しているだけではなく、十分に隣接していることが必要だということです。//
p192
//細胞外スペースが小さければ電気を蓄えやすい性質を持つということなのです。//
p193
//起きているときは、細胞外スペースを狭くすることで、低周波の細胞外電場に対する応答性を変化させている可能性が考えられます。//

p196
//ニューロンは、10Hz程度の細胞外電場の電気刺激にもっとも強く応答できるようチューニングされている可能性があります。そんなケーブルが密に存在することで、10Hz程度の細胞外電場に対してもっとも電気を蓄えやすい性質を示すようになります。//

p174 アルヴァニタキ 1901年、エジプト生まれのギリシャ人
//アルヴァニタキは1941年に、2本の神経線維が近接している場合、1本の神経線維が活動すると、その影響で近くの神経線維も活動することを発見し、エファプティック・カップリングという現象を提唱しました。//
p175
//現在では、エファプティック・カップリングは、隣接する神経線維同士の電気的な相互作用だけでなく、より一般的に、あらゆる場(環境)の変化によって誘惑されるシナプスを介さない情報伝達全般のことを指すようになってきています。細胞外電場もその1つです。本書ではそれを、エファプティック・コミュニケーションと呼ぶことにします。//
p181
//ここまでは、ニューロンの周囲の環境にある電気刺激(細胞外電場)が、脳にとって無視できないほどのはたらきをしているというエファプティック・コミュニケーションの例を見てきました。//

p185
//電気の通しやすさ電気を蓄える性質は、金属や有機化合物や水と異なり、周波数によってさらに大きく変動するということが示されたのです。
 とくに生体組織が他の物質と比べてユニークな点は、1Hzよりも低い周波数領域において、電気を蓄える性質である誘電率が非常に高い点にあります。//〈中略〉//これはつまり、「生物はどんな金属よりも電気を蓄える性質を持ちうる」ということを意味しています。//

脳の「水」は、生理食塩水か?

p194
//研究者の間では、今でも脳組織を単なる生理食塩水とみなすことが暗黙の了解となっています。おかしいと思いながらも、それを認めざるを得ないというような状況なのです。なぜならば、すでにその前提で書かれた論文がたくさんあるからなのです。//

p182
//一般的には、体の60%以上は水分であると言われています。脳も同様で、おおざっぱに見るとほぼ水分であると考えられます。実際、脳組織を単なる生理食塩水(0.9%の食塩水)だとみなして、モデル化しています。//

p183
//脳波はいろいろな周波数をとることができるため、周波数に応じて電気の通りやすさなどが変化するという性質を脳も持っているとしたら、やはり脳を単なる生理食塩水とみなすことは誤りということになります。//

p188
//もはや脳組織を生理食塩水とみなすのはさすがに無理があります。これは何かの間違いなのでしょうか。いったいどうして脳組織は、低周波領域においてこれほどまでに大きく電気を蓄える性質を示すのでしょうか。//

2022.10.25記す

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