5歳の伸びしろ──落ちた幼鳥が飛ぶ ── 擬育12

 3歳、4歳は親から離れて、園や祖父母の家でひとり泊まりはまだ難しい。でも、5歳になるとドキドキ、初の体験になる機会になるかもしれない。

 ツバメやヒヨドリなど、羽がそろってきている幼い鳥が路上にいる場面にでくわすかもしれない。さわらないで! 人間の匂いがつくから。でも、猫に襲われるかもしれない。そんなときは、猫を見張って幼鳥の番人になろう。何かの拍子に巣に戻れなくなったと推察される。ということは、巣が近くで親鳥もすぐ近くにいる。親鳥は我が子を探しているはずだ。そして、我が子を見つけると「ピヨ!」「ジュジュ!」と声をかけ、親を見つけた子は、なんと自分で飛べる!

 5歳になると、なぜか階段を2段跳びするような成長のしかたをみせる。実際、2段跳びするかどうかは、親鳥の呼びかけと同じだ。保育ではこれを援助という。3歳、4歳でも2段跳びするかもしれない。しかし、この時期は、「できるよ!」と親に見て欲しいから。5歳のときは違う。親に見て欲しいのは同じだが、〈できるような気がして〉やってみようという内面の発達が自身を行動に促す。だから、〈できるような気がして〉を確かめる結果となり、親に見て欲しい以上に自尊心が育まれる。

 〈できるような気がして〉──これを主体性という。主体性は、自身で気づくこともあれば、おとなに促されて〈やってみようかな〉と気づく。友達のしていることを自分もしてみたいと思うようになる。つい先程まで、ザリガニがさわれない・さわりたくないと態度でも表していたのに、友達の初めてさわれた体験を目の当たりにして、意思とは関係なく「さわりたい!」と声を発してしまう。5歳の伸びしろは、自身の意思から有効になるだけでなく、友達や、親・おとなの働きかけ(援助)から大きく影響を受ける。

2019.7.31記す