点から線へ ── 擬育28

 あかちゃんは冒険家として生まれた。生まれ出たその瞬間から冒険家だった。0歳から2歳半までは冒険家。2歳からは探検家になる。となると、冒険と探検の区別をしなくてはならないが、とりあえずは下段のリンクを参照されたい。

(参考)あかちゃんは”冒険家”として生まれた

 2歳のとき、冒険期と探検期がクロスする。このことはいわゆる”いやいや期”(この名称が良くないとの議論もある)の説明にも使えそうだ。(クロスする2歳前期だけでなく、個人差を考慮して2歳後期も移行期になると考える)
 探検とは、なにがしかを発見しようとする試み。発見には道具と知識が必要になり、それらは〈試み=体験〉によって磨きがかかる。

 3歳児。どんぐりを見つけたら、手を出して拾うだろう。砂浜では貝殻を手にするだろう。庭の石をめくると何やら虫(ダンゴムシなど)がいる。どんぐりなら触れるだろう。一つ、二つと見つけるとまだまだ探したくなる。貝殻は「きれいね」と共感してくれる声かけがあると探す意慾を誘う。ダンゴムシはこわい。さわれる勇敢な子を目撃すると、さわってみようとする。関心に誘導される様は〈点〉だ。
 4歳児。森や林、公園に行けば、どんぐりを探そうとする。花をつみたくて、花から花へと蝶のように子どもも舞う。もちろん、虫をさがす子らも舞う。水場や池を見つけたら、カエル・ザリガニ・エビと興じる。〈点〉でもあり動きは〈線〉でもある。私は野外活動の指導で、フィールドについては、あちこち行くのではなく、場所を定め、同じところを季節を変えて繰り返すことが肝要と伝えている。フィールドを固定することで子どもはイメージしやすくなる。期待も高まる。主体性を育てることが可能になる。
 5歳児。探検家の集まりとみてよい。何かを見つけたい。何かに出会いたい。もはや〈点〉ではなく〈線〉として認識できるようになり、移動することがこの年齢児の目的になる。〈世界観〉の始まりでそれは〈価値観〉の芽ばえでもある。語彙が豊かになり、さまざまな表現が可能でそれがおもしろい。楽しい。〈線〉になるとは、そういうことだと思う。
 2020年2月23日のNHKスペシャル《食の起源・第5集「美食」》で「おいしい」の秘密が探られて興味をもった。「おいしい」と感じられるようになったのは「苦み」への学習ということだった。そして、おいしさを仲間に伝えあう。人類が生きのびる智恵として誰かが(苦みを含む)おいしいと思えるものを共感を通して伝播する。だから、給食や会食の時間は大切なのだ、と学んだ。

(参考)食の起源 第5集「美食」~人類の果てなき欲望!?

 複数の〈線〉から〈面〉や三次元・四次元となってゆくには、学齢になってからの学習を待つことになるのだろう。

2020.2.24記す