||||| 予測不可能を超えるとき |||

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 本庶佑(ほんじょ・たすく)は、2018年、がん治療への貢献で、ノーベル医学・生理学賞を受賞した。このほど、本庶佑『いのちとは何か』(岩波書店 2009年)を読んだ。Webに書き記している読書メモは、「Honjo,Tasuku いのちのバイブル」と題した。本を開いて、その最初が「幸福感の生物学」だった。医師でもある本庶は「医師の使命」として、//患者が真の幸福感を味わうことができるようにするかが今日の医師の使命である。//p89 としている。科学者そして臨床医として、「幸福」をメインテーマとしていることに驚いた。

 生命科学に自身の立ち位置を定め、生命科学の未来を見据え、人類に課せられた巨大な疑問を二つあげている。
①宇宙の根源──物質の起源、宇宙の果て
② //われわれ自身が何者であるのか//……//生命とはどのようにして成り立っているのか//p115。

 //人は永遠に生きられるのではないかという発想をもつ人もあったように聞く。//……//生命体の歴史と特性を考えると、そのようなことを目指すことは適切ではない。//……//命は、滅ぶことによってその存在が活きると、私は考える。//p82

 宇宙や生命の根源、そして、その裾野は広い。理解もむずかしい。それでも、そこから逃げない。興味深い問答が、第二部にあった。本庶佑と米沢富美子(よねざわ・ふみこ 理論物理学者)の対話だ。
〔本庶〕//予測不可能というのは、私なりの理解としては、ある階層を超えた大きな階層へいくと、それなりの理解のできる塊になる。そういうことなんでしょうか。//
〔米沢〕//そう思ってよいと思います。//p140
 事細かな課題に向かっているあいだは予測不可能なままだが、アスリートが練習を重ねているうち あるとき飛躍を遂げるとか、ある探求者があるときひらめくとか、時空間を超える体験を語っている。

2026.1.1記す

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