長谷川眞理子『ダーウィン 種の起源』
+ 副題:未来へつづく進化論
+ NHK「100分 de 名著」ブックス
+ NHK出版
p19
//「神がつくった生き物のなかには滅んでしまうものもいる」と言うよりも「神が世界のすべてを完璧に創造した」と言い切ってしまったほうが、神の力を誇示するためには都合がよい。//
p31
//この事実だけを見ても、「神がすべての生き物をつくって、その後は変化してこなかった」というキリスト教的世界観が誤りであることは明確なはずですが、ダーウィン以前の学者は、誰一人として品種改良に注目する人はいませんでした。//
p50
//こうした生存競争のとらえ方は、ラマルクの進化論にはなかったものです。ラマルクが示したのは、キリンの餌になる葉がついた木の高さだけがキリンの生存を決定するという定常的な決定論でした。一方のダーウィンは、競争というものの決定論としてではなく、方向の定まらない流動的なものとしてとらえていたのです。//
p61
//彼〔ダーウィン〕の理論は、簡単に言うと「変異」「生存競争」「自然淘汰」の三つのキーワードで説明が可能です。//
p62
//すべての変異は偶然の産物なのです。//
p62
//進化は梯子のようなプロセスではなく、枝分かれの歴史です。//
p63
//「進化」を、単純なものから複雑で高度なものに変化する過程ととらえるのも間違いです。最初にこの世に現れた生物は単純な構造の単細胞生物で、その後に多細胞の複雑な生物が誕生していったのは事実ですが、必ずしも生き物は複雑な方向へと進化していったわけではありません。たとえば、寄生虫として他の動物の腸のなかで一生を送るようになった生き物には、祖先が持っていた内蔵を失ったものもいます。一見、それは退化だと感じるかもしれませんが、生物学では退化は進化の反対語ではなく、退化も進化のなかの一側面ととらえています。//
p106
//幼児が示す「協力的な行動」は、教育の成果というよりは、生まれつきのもののようです。//
p109
//人類進化史から見れば、「人間」とは、「基本的には雑食で、適度の運動と娯楽を必要とし、共同作業によって生計を立てて、公正・平等をよしとし、好奇心が強く、他者と密接なコミュニケーションをとり、共同で子育てをする社会的な生き物である」。//
p127
//つまり、「優性」と「劣性」です(この言葉は、良い悪いという感覚を呼び起こすのでやめようという動きがあります。いつでも現れるほうを顕性、現れないほうを潜性とでも呼んだほうがいいでしょう)。//
2026.4.11記す
