村田沙耶香『コンビニ人間』文春文庫 2018年
//普通の人間という皮をかぶって//p95 ……//つまり、皆の中にある『普通の人間』という架空の生き物を演じるんです。//p95 ……//「普通の人間」というものの定型//p100
//普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ。//p123
//社会に出ていなければ就職しろ、就職すればもっと金を稼げ、金を稼げれば嫁をもらって子孫を作れ。ずっと世界に裁かれ続ける。//p91
//この世は現代社会の皮をかぶった縄文時代なんですよ。大きな獲物を捕ってくる、力の強い男に女が群がり、村一番の美女が嫁いでいく。狩りに参加しなかったり、参加しても力が弱くて役立たないような男は見下される。//p92
//ここ二週間で14回、「何で結婚しない?」と言われた。「何でアルバイトなの?」は12回だ。//p96
言うまでもなく「普通」は何かのモノサシで測って判定する。メートル法のように誰が測っても誤差の範囲内で正確に測定できるモノサシではなく、「普通」という評価基準で表すが、”普通計”など架空で地球上に存在しない。
しかしながら、共感語「あるある」のように「普通らしき」ものは現象として存在し、「あるある」に属さないことは奇異の目でみられる。
普通とは何か? 普通とは、どういうことか? と問えば、その時点で、普通の次元からハズれる・ハズされる。
2026.6.7記す
