|||||「おとな」の定義 |||

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  • 例解新国語辞典・第十版
    • おとな……
      • ①世間からみて、一人前だとみとめられるまでに成人した人。
      • ②判断力などが じゅうぶんにあること。
  • 新明解国語辞典・第三版
    • おとな……
      • (1) 一人前に成人した人。
      • (2) ①老成している様子。「彼は年の割に──だ」
      • (2) ②〔子供などが〕事情を聞き分けて、静かにしている様子。

小此木啓吾『モラトリアム人間の時代』中公文庫 1981年
p20
//旧来の社会秩序の中では、このモラトリアムは、一定の年齢に達すると終結するのが当然のきまりであった。個々人の発達図式についていえば、青年からオトナになるということは、もはや一時的な遊びや暫定的な実験ではない特定の社会的自己=アイデンティティをを確立することを意味していた。「これが自分だ」と選択したオトナの人生に自分を賭け、一定の職業、専門分野、特定の配偶者、社会組織、役割としっかりと非可逆的に結び合い、安易なやり直しのきかないことを覚悟した倫理的な人生がはじまる。猶予は失われ、社会的な責任が問われ、義務の決済が迫られる。つまり、「心理社会的モラトリアム」は「自己定義=自己選択=アイデンティティ」と一対をなす概念であり、旧来の社会秩序に根をおろした確固たるオトナ社会の存在を前提としてはじめて、本来の目的を達成することができる。
 青年期をモラトリアムとしてとらえる旧来の社会秩序は、自明のこととして古典的な人間一生の年代図式を確立していたのである。//
p21
//誰でも人間は、このモラトリアム期間を経てオトナになるが、ひとたびオトナになれば青年期のしめくくりの時に選択した自分、その自分と結びついた職業、配偶者、社会組織の枠組の中で、年をとってゆく。同一の配偶者との間で子どもが生まれ、一緒に親になる。職場では一定の段階を経て地位が上り、収入がふえ、仕事に経験を積んで熟練し、次第に人の親らしくなり、先輩らしくなり、上司らしくなる。つまり、一方向性の時間進行のベクトルがあって、年をとることと、その個人の社会的、経済的、心理的上昇は同一方向に向うものとみなされていた。幼児期からはじまって、青年期、〔←境界?→〕成人期、やがて中年、初老、老年期へという具合に、一つの固定した年代図式が確立していた。//

p17
//「モラトリアム」とは、支払猶予期間、つまり戦争、暴動、天災などの非常事態下で、国家が債務・債権の決算を一定期間延期、猶予し、これによって、金融恐慌による信用機関の崩壊を防止する措置のことである。//……//アイデンティティ論で、わが国にも知られている米国の精神分析学者エリク・H・エリクソンは、この言葉を転用して、青年期を「心理社会的モラトリアム」(psycho-social moratorium)の年代と定義した。青年期は、修業、研修中の身の上であるから、社会の側が、社会的な責任や義務の決済を猶予する年代である、という意味である。//
※──この解釈では、「青年期」は、まだ「おとな」になる前ということになる。

p31
//かつては12,3歳から22,3歳までとされていた青年期は、今や30歳くらいにまで延長・遷延している、というのが、精神科医や心理学者たちの共通の見解である。つまり、歴年齢としては、25歳をすぎても、30歳くらいまではモラトリアム状態にいると思い、まだそのようなあり方を保ちつづけようとする”青年”が目立つようになったのである。この事実に注目する米国の心理学者ケネス・ケニストンは、従来の青年期と成人期の間に18歳から30歳にかけてユース(若者期)という新区分をおくことを提唱している。//

小谷敏『子どもたちは変わったか』世界思想社 2008年
p54
//「専業子ども第一世代」ともいうべき私の世代が青年期に至って、大人になることを忌避する「モラトリアム人間」〔p82//大人になることを拒否して、大人とも子どもともつかぬ中途半端な依存状態にとどまり続けようとする若者//〕と呼ばれたのも故なきことではありません。//
※──成人期を控えた手前の青年期で成人期を、つまり「成人=おとな」を忌避しているということか? 「成人期からおとな」という解釈でよいのだろう。

山口和彦『こどもの「こころと脳」を科学する』ジャパンマシニスト社 2022年
p56
//それから「軸索=電線」には、脳のなかで漏電や混戦が起きないように脂質でできた被ふくが電気コードのようにぐるぐる巻きついています。これは生まれてすぐは巻きついていないのですが、成長の過程でだんだんと巻きついていき、25~30歳くらいに完成するといわれています。
 このように人間の脳が完成するには、かなり時間がかかることがわかってきました。//

「九歳の旅立ち」を命名する
いつから「おとな」で、遊びを考える。 

2026.7.4記す

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