村上陽一郎 編『「専門家」とは誰か』晶文社 2022年
p236:小林傳司(ただし)、執筆
//〔2014年〕衆議院憲法審査会に与野党の推薦によって招かれた三人の憲法学者が、いずれも「安全保障関連法案は憲法に違反する」と述べ、またほとんどの憲法学者が同様の見解を表明した。これを期に、多くのメディア報道等でも、政府提出法案や前年七月の集団的自衛権行使を容認した臨時閣議決定に対する冷静な見直し議論が期待された。しかし、政府与党は憲法学者の主張に強い敵意を示し、中には、「現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいかという議論を踏まえ閣議決定を行った」(中谷元氏・当時防衛大臣)という極論まで飛び出した。要するに「憲法を法律に合わせたのだから違憲ではないのだ」となっては、憲法をめぐる近代社会政治思想そのものが完全に無視されたことになる。//
2026.8.21記す
