日比野愛子・鈴木舞・福島真人/編『科学技術社会学(STS)』新曜社 2021年
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//ハラウェイ(D.Haraway)によると、霊長類学では、雌雄の行動の描写が時代とともに変化しているという。1960年代以前の霊長類学において、霊長類の群れでは攻撃的で雌をめぐって争いを繰り広げる雄が中心的なものとして、一方で雌は献身的で雄に対して受動的であり、群れにおいて周辺的な存在とされてきた。しかしその後、雌も攻撃性を発揮し、性的選択を行い、雄のように争うことが指摘されるようになる。霊長類学者自身が述べているように、霊長類学とは当初、人間社会の理想化された形を霊長類の社会にも投影していた。その結果として、当時の人間社会で理想と考えられていた男女区分に基づき、実際とは異なる霊長類の雄雌のあり方が描かれていたことが分析されている。//
p98
//また、分類学の始祖であるフォンリンネ(C.von Linné)は、18世紀に動物分類として哺乳類というカテゴリーを作成した。これについてシービンガー(L.Schiebinger)は、哺乳類に分類される動物が共通してもつ特色としてさまざまなものが存在するにもかかわらず、乳房という特徴に注目して分類名として採用したことに、フォンリンネ自身のジェンダー観が見え隠れすると主張する。こうした科学者のジェンダー観がその研究の内容そのものに反映されている様子は、その他の学問分野でも見られるが、女性が感情的で男性が理性的といった男女に関する一般的に目にしやすい言説にも、科学者のジェンダー観が影響を及ぼしていることが示されている。//
※なるほどなあ~、鋭い指摘と思う。わたしは「哺乳類」の呼び名に疑問をもたなかったし、特色でもあると思っていた。雄雌そろって子育てに熱心(?)だから、では「子育て類」ではどうか? でも、鳥類も雌雄そろっての「子育て類」か?(托卵という例外!)
2026.9.23記す
