- 『チョムスキー言語学講義』
- 副題: 言語はいかにして進化したか
- 著者: ノーム・チョムスキー / ロバート・C・バーウィック
- 訳:渡会圭子
- ちくま学芸文庫 2017年
- 7ページより
人は泣きながら生まれてくる。その泣き声は言語のめばえを知らせるものだ。ドイツの乳児はドイツ語の抑揚で泣く。フランスの乳児はフランス語の抑揚で泣く。これはどうやら胎内で獲得するもののようなのだ。生後ほぼ1年以内に、子どもは母語の音声システムを身につけるようになる。そしてさらに何年かが過ぎると、そばにいる人と会話をしている。どんな人間言語でも獲得するという、ヒトという種が持つこのすばらしい能力──”言語機能”──は、ずっと以前から重大な生物学的問題を投げかけている。たとえば、言語の本質とは何か。どのような働きを持つのか。どのように進化したのか。
- 赤字は、本書では傍点。
- 本書冒頭の書き出し
2018.11.29記す