かこさとしの過激な一面

 かこさとしという人をご存じでしょうか?
 ご存じない方には説明のしようがないのですが、「だるまちゃん」の絵本は幼児に人気だし、「かわ/地球/海/宇宙」の4部作からなる科学絵本は、人類をとりかこむ壮大な環境を小学生に認識させるとても為になるもので、SDGs理解の基礎知識にもなるでしょう。ページ数わずかな絵本であっても、膨大な資料を読み込んで、かこさとしは創作してきたようです。

 子ども(乳幼児を含めて)をよく理解されていますが、学校教育現場の先生経験はなく、大学在籍の識者でもありません。絵本作家の一人にすぎません。絵本作家でありながら、画家でもなく、イラストレーターでもありません。だるまちゃんの絵本をはじめ、彼の絵は稚拙です(失敬!) でも、人気があるのです。 「子どもの遊び」を研究するにおいて、彼の本を漁っているのですが、学術書の体裁を為していません。でも、「おかまいなし」というところが、かこさとしらしい。

 彼著『日本の子どもの遊び(下)』(青木書店 1980年)のp50に、──今の日本の子どもが三ずの川を渡っている──とあります。ギョッとする表現です。これは「遊ばず・学ばず・手伝わず」のことなのです。1980年に刊行された本なので、1970年代には起きていたということでしょう。それは、私のいろいろな調べと符号します。それから50年以上を経て今日があるわけです。
 さて、この本の「学校と遊び」の節の小見出しに注目です。
── 大人がいると遊びにならぬ
── 先験、先達者としての大人の義務
── 遊びにおんぶするな
── 子どものさめた目を知れ
── 遊びをつづっても授業にならぬ
── 遊びから技術を盗め
以上、なかなかの直球です。子どもを守らんが為、必死の提言になっています。

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2021.6.21記す

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