共感する、とは?

  • 文献1
    • 共感脳』麗澤大学出版会 2016年
      • 副題:ミラーニューロンの発見と人間本性理解の転換
      • クリスチャン・キーザーズ
  • 文献2
    • ミラーニューロンの発見』ハヤカワノンフィクション文庫 2011年
      • 副題:「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学
      • マルコ・イアコボーニ(2008年)
      • 塩原通緒/訳
      • 別途同じ内容で新書版あり

ミラーニューロンの発見 ──1996年

 ミラーニューロンとは、1996年に発見された神経細胞の一種である。発見者はイタリアの神経生理学者ジャコモ・リゾラッティらである。基本的な機能は、自分が運動する時にも、他者の同様の運動を目で見たときにも活動するというものだ。──文献2 p338

  • 『ミラーニューロンの発見』 文庫版p192
    • 残念ながら、西洋文化は個人主義的、唯我論的な考え方に支配されていて、その枠組みのもとでは自己と他者との完全な分離が当たり前のようにできると思われている。私たちはその考え方にどっぷり浸かっているため、自己と他者とが相互依存にあると言われても、直観的に違うと思うばかりか、聞き入れることさえ難しい。この支配的な見方に対して、ミラーニューロンは自己と他者とを再びつなぎあわせる。その活動は、人間の原初的な間主観性を思い起こさせる。それはすなわち、赤ん坊と母親、赤ん坊と父親の相互作用に著され、その相互作用の中で発達する、赤ん坊の初期の相互作用能力だ。ミラーニューロンはこの最初の間主観性的な時期に形成され、この間主観性によって育まれるのだろうか? 私はそうだと思う。一部のミラーニューロンが生後ごく初期から機能して、最初期の相互作用を助けている可能性は高いだろうが、人間のミラーニューロンシステムの大半は、その相互作用の時期に形成されるものだと考えている。赤ん坊の脳内でのミラーニューロンの形成は、とりわけ相互模倣のあいだになされているのではないかと思われる。これは笑いを例にして述べたとおりだ。ミラーニューロンが本当に母子間や父子間の協調活動によって形成されているのなら、それらの細胞は単に自己と他者の両方を具現化しているだけでなく、赤ん坊が独立した「私」の意識というよりも、むしろ未分化の「私たち」(母親と赤ん坊、父親と赤ん坊)の意識をもっているときに、その具現化を始めていることになる。だからこの時期の赤ん坊は鏡像認識課題に合格できないのだ。しかし、この最初の「私たち」の意識から、赤ん坊はゆっくりとではあるが着実に他者を知覚するようになる。その知覚のしかたは自然で、直接的で、明白で、複雑な推論をいっさい必要としない。そしてやがては正しい自他の意識が築かれていく。このときに、それを助けるのが特殊なタイプのミラーニューロンであり、私はそれをスーパーミラーニューロンと称しているが、この細胞については第7章で見ることにしよう。ともあれミラーニューロンの活動は、その後の一生を通じて、この自己と他者とが同居する「私たち」の意識を決定的に表すものでありつづける。
  • ミラーニューロン
    • 運動と知覚は「別」ではないらしい
  • 文献1 p10
    • ほとんどの子どもは、7歳までに他者の感情を言い当てる能力を十分に発達させています

共感する、とは?

  • 「母親の共感」──文献2 p159
    • 幼児の内面の状態をミラーリングする母親の能力は、おそらくさまざまなかたちで表れるだろう。
    • ※(山田利行の見解)哺乳類で「うぶごえ」をあげるのは人間だけのようで、「うぶごえ」は母親の感情チャンネルにスイッチ・オンするのだろう。

2021.8.14記す

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