- 『ワハハ先生のからだの話』
- 山田真(やまだまこと)
- フレーベル館 2003年 ISBN978-4-577-02638-0
ふとった、やせた、痛い、苦しい、こんな目にあって初めて、自分のからだを心配し始める人もいれば、常日頃、ウォーキングに励むなど、からだにいいことしてる人もまた多いことでしょう。
ところで、私たちは、自分のからだのことを、どれほど知っているのでしょうか?
「からだ」っていっても、一口では言い表せないほどに複雑です。
ご案内する本の目次はとても詳しいのですが、その大きい見出しだけを並べてみましょう。
- 顔
- 脳
- 内蔵
- 骨
- 手と足
- ひふ
- いのち
次に、「顔」の項目で、もう少し細かい見出しを5つあげてみます。
- 顔と頭
- ひたいとは
- 目のこうぞう
- なみだ
- なみだの成分
この本は、「毎日小学生新聞」に連載された記事を一冊の本にしたものです。小学生が読んでもわかる内容ということですよね。
長期にわたって連載されたようで、頭のてっぺんから足先まで、皮膚から内蔵・骨まで、からだの部分あるいは仕組みなど、とてもたくさんの項目があり、見開き2ページずつで説明しています。
わかりやすく、かつ、おもしろいのですが、こういう本はハラハラドキドキする本ではないので、興味のあるところだけ読んでしまうと、あとは閉じたままということが多いのです。
この本は、しんぼうして、ぜひ全部読み通してみてください。
家庭医学書は分厚すぎて読み切れませんが、この本なら、初めから終わりまで一気に読めます。子どもの本だと思ったのに「なんと詳しい」と驚くことでしょう。
複雑な人間のからだの、どこに視点をあてて、どう理解しておけばいいのか、これは専門家の医師であればなおのこと、むずかしいことかもしれません。
ましてや、小学生でもわかる中身にしなくてはならないのです。
ワハハ先生は「手のひら」の項目で、感情線・頭脳戦・生命線などの説明をする遊びっ気の多い先生ですが、からだを理解するに必要な知識をしっかり詰め込んでいます。
「医学」のようにむずかしい学問・成果を、どのようにすればわかりやすく伝えられるかと努力し、それを実現させているワハハ先生に、私は敬意を表したいと思います。
病気になってからあわてて、あるいは、健康情報のような断片的知識に頼るだけでなく、もう一度、からだ全体をながめてみる視点を、この本で学んでみましょう。
2022.7.17再録
2005.7.1記す
- 「脳の話」の項目
- 脳と脳死
- イヤイヤ反応
- 骨ずい移植
- 臓器移植
- 脳のはたらき
- 間脳
- 体温の話
- 視床下部のはたらき
2022.7.17記す