時計=計測=20分間
【炊爨】すいさん…「爨」も「炊」と同意
『新明解国語辞典第三版』
- 飯盒(はんごう)で、ご飯を炊くこと。
- 過去は「兵式飯盒」だけだったが、近年 丸型(円形)のかたちをよく見かける。
- どちらの型も、米4合まで炊ける。
- 米を量る単位は「4合」という表現だが、600gに相当する。(1合=150g)
- 中蓋(なかぶた)と呼ばれる器が飯盒にセットされていて、計量器として使用できる。2合(水300cc)に相当する。
- 本体には、目盛りがあり、
- 米2合を炊くときは、下の1段目まで水を入れる。
- 米4合の場合、上の2段目まで水を入れる。
- 炊くとき、中蓋を入れたままにしない。
- 中蓋を入れたままで炊いたケースもありましたが、そのときはおいしく炊けていました。
失敗しない飯盒炊爨
- 失敗のケース
- 焦げた
- 焦がしてしまうと飯盒が洗いにくく、焦げ跡が残る。
- できるだけ焦がさないようにしよう
- ちゃんと炊けたご飯に、焦げ臭がついてしまう
- 焦がしてしまうと飯盒が洗いにくく、焦げ跡が残る。
- 米に芯(しん)があり、食べにくい。
- やわらかめは食べられるが、芯がありすぎると食べられない。
- べちゃべちゃ、やわらかい。
- 食べられる。好みだが、おいしくないことが多い。
- 焦げた
炊く前(米)
- 米をとぐ
- ごみをとりのぞく程度に
- (野外では)水を節約すること
- とぎ汁を野外にそのまま流すことは環境汚染になる
- 最小限にする
- 流す場所は水場をさけ、土や落ち葉などにしましょう。
- おいしさは、個人差がある。
- どうしても、しっかりとぎたい人は、排水設備のあるところで準備しましょう。
- つけおき
- 30分程度、水に浸しておいたほうが、おいしくいただけるようです。
- ザル等で水切りする人は、その準備をしておきましょう。
- ごみをとりのぞく程度に
炊く前(火)| キャンプ場でないとき
- 火を扱う場合の一般的な注意は、ここでは触れません。
- 炊飯しようと思う場所で、やや広めにたき火をする。
- かまどをつくる前、何も用意しない状態で、たき火をします。少なくとも30分程度はしておいたほうが、あとの作業がラクになります。
- 飯盒をつるす必要があるときは、すぐには燃えそうにない枝をみつけ、水に浸しておく。
- かまどにつかう石を集めておく。
- 写真では、かまど状に石で囲っているが、たき火をしながら囲っていけばよい。
- 20分間の燃焼に必要な燃料を集めて準備しておく。
- キャンプ場では、キャンプ場の規則に従って行う。
さあ、炊こう! 火にかけてから 20分!
- 写真を参考にして、飯盒を火にかける。
- 棒にかけないで、網に置く場合もある。
- 火にかけた時刻をおぼえます。あるいは、メモします。
- ほのおが飯盒をつつむほどに、しっかり燃料をいれます。
- 網の上に置いたときも、ほのおがしっかり必要です。
- 2個以上あっても、すべてほのおにつつまれておかねばなりません。
- ほのおが飯盒をつつむほどに、しっかり燃料をいれます。
- 20分で、ご飯ができます。
- ご飯炊きの係りになった人は、20分、つきっきりで面倒をみましょう。
- 7~8分ほどすると沸騰した水が出てきます。
- 2合・4合、どちらでも時間差に違いはありません。
- ふきこぼれが多くなると水が少なくなり、焦げる原因になります。
- ふきこぼれが見える程度に、燃料を少なくします。
- 火が強いと、お湯の中でも焦げます。
- この状態を保ちます。
- 沸騰中は、ふたが持ち上がります。
- 石を重しにしても、ふたは持ち上がります。
- 少しの時間ですから、棒で押しつけるのが確実です。
- 少しくらいふたが持ち上がっても、出来具合に大差ありません。
- 20分近くが目安で、水がしみ出てこなくなります。
- ここを見逃すと、焦げてしまいます。
- もっとも大切なとき、です。
- 1~2分、そのまま待ちます。
- ほぼ炊けています。
- ここを見逃すと、焦げてしまいます。
- 飯盒を火から下ろします。
- このとき、火にかけてからの所要時間が、ほぼ20分です。
- 楽しみ!
- 安定した場所に置いて、すばやく蓋をとって、炊けていることを確かめる。
- 「蓋を開けては、いけない!」という人もいます。熱い蒸気が抜けるからでしょう。しかし、これも、出来具合に大差ありません。
- 安全のため!火傷を防ぐため!蓋を開けて、水が残っていないことを確かめる。
- 水が残っている場合は、もう一度 火にかけ、上記を繰り返す。
- 時間をかけすぎると芯が残りやすい。
- 原因
- 火が弱かった。水が多すぎた。
- 時間さえかければ出来る場合もありますが、おいしさは劣ります。
- 火が弱かった。水が多すぎた。
- 焦げ臭がしたら、あきらめて、対策を考える。
- 水が残っている場合は、もう一度 火にかけ、上記を繰り返す。
- このとき、火にかけてからの所要時間が、ほぼ20分です。
- 飯盒をひっくり返し、むらす。
- 飯盒の底を叩いてはいけません。底が、凸凹になります。
- 残っている熱湯がしみ出てくることがあります。火傷に注意!
- 底が焦げている場合もありますが、焦げ臭がしない程度なら問題なし。
- むらし時間は適当に。
ガス台などで、鍋でご飯を炊くときも 20分が目安です。家庭で練習しておくとよいでしょう。湧いてくるまでの時間、炊き上がる様子は野外でも役立ちます。
どんなことでもコツのいることは確かですが、絶対失敗しません。というか、数えていませんが、私が失敗したのは10代のとき。この方法を発見してからは、一度も失敗していません(正直に言えば、指導しているとき、もし失敗したらゴメンなので、少しは気になりますが、まあ大丈夫です)
ご飯を炊くよりも、雨上がりのあとは、燃料の湿っていることが多く、この苦労が多いですね。しっかりした火を持続できないからです。
- ご飯や炊飯については、みなさん、一言をお持ちです。生活習慣やスタイルがありますからそれぞれに合理性はあるのでしょう。飯盒炊爨に限って、以下ご参考にしてください。
- 水は、足りないよりも、多すぎるほうが失敗しません。
- 目盛りに合わせるにしても、飯盒を水平にすることが困難なときもあります。目盛りが隠れるくらいがよいでしょう。
- 手首を浸して水を計る方法もあるようです。自信があればそれもよいでしょうが、目盛りに慣れましょう。
- 「一人一合」は多すぎます。0.7合(100g)×人数を目安にします。野外ではゴミを出さない心得が大切です。野外ではカレー料理をするグループは多いですが、そのときは、0.7合は少なめになるかもしれません。
- 足りないときは、ほかの食糧で補いましょう。
- 残ったご飯は、その日のうちに食べきりましょう。
- 塩おにぎりにし、夏、腐食予防でテントの外に保存し、翌日食べたグループで食中毒をおこした事例があります。食中毒では腐敗臭はしません。
- 「♫はじめちょろちょろ中パッパ……」という唄があります。初めは弱火、そのあと強火、ということのようです。土間で釜炊きを”毎日”するのでなく、1年に1度するかしないかの野外活動で”昔ながら”の実践を試みるのはかえってむずかしいと思います。
- 軍手は「綿100%」が必須です。化学繊維が混紡されていると火傷する危険があります。
2019.4.17Rewrite
2019.4.14記す