ジャンク品
ジャンクとは「がらくた」を指す。高校に進学し放送委員会に所属していた。1年生のとき3年生の先輩に連れられ、電気店が並ぶ大阪日本橋に連れて行かれた。50年前の話だ。目指すはジャンク品。道路に面した店先にジャンク品がそこかしこに置かれ、店内に足を踏み入れても狭い通路はジャンク品ばかりだった。「ジャンク」という言葉を覚えたときで、何を目的にしているのか、先輩は目の色を変えてジャンクをあさっていた。
真空管のガラスどうしがあたる乾いた音や手ざわりは、今でも記憶にとどまっている。何を買ったか、小さなその旅の行程はきれいさっぱり思い出せない。
そういえば、当時の我が家にもメタル管(ガラスではなく金属の真空管)があった。中学生になっていただろうのとき、古道具屋で真空管式ラジオを300円(?)で買った。それを抱えこんだ記憶がかすかにある。壊れていたであろうに、電気コードをコンセントに差し込んだとき、真空管の一つが火を噴き、ガラス管の中で赤く燃え上がった。おしゃかになったラジオを分解し、部品取りしたわたしのデビュー作になった。
50年後の今でも我が家のかたづけをしていると、(これはジャンクとして箱に入れておこう)と思うことはよくある。おかきが入っていた金属製の空箱には、ねじや釘、そのほか捨てられない部品が重いぐらい入っていて、必要があるときは、ガサガサ音を立ててさがし、役立っている。
そんな「ジャンクな心」の起源を、ふと思い出した。
2026.2.15記す
