空気終静(あとがき)

数百段つづく古道 2020年 神戸市北区

健康な生活を維持するために
人生は、ショートカットの集まりだろうか?

空気終静(くうき しゅうせい)

 1950年生まれの私は、今後あたらしい取り組みをしないと決めている。六甲山最高峰(931m)まで子どもを引率できるほど十分に?健康だ。「他者先んじて自己生ず」と成句を創作した。他者に生かされて今日の自分があるわけだから、今まで自分が為してきたことを今後10年かけて伝えられるかたちにして遺しておこうと思った。謂わば、このことが”あたらしい取り組み”といえるだろう。

 当初「終活」という巷で使われる言葉を浮かべたが、どうも「活」が性に合わない。ぼんやり考えているうちに〈終静 しゅうせい〉に辿りついた。

座り心地のよい切り株

 シェル・シルヴァスタイン『おおきな木』(篠崎書林 1976/あすなろ書房 2010)のラストで「木」は自身の切り株に坐ることを老人に提案する。木が提供できるものは、もう切り株しか残ってないからだ。どうやら座り心地がよいらしい。

篠崎書林版より

 どうぞ、おすわりください。だ ── 昔、一本のりんごの木があった。〈おとこのこ〉はおねだりばかり。望みをりんごの木はそのつどかなえた。〈おとこのこ〉は、少年~青年~壮年となるあいだ、望みを木に向けた。望みをかなえていくうちに、とうとう木は、切り株だけになってしまった。〈おとこのこ〉は、よぼよぼの年寄りになってしまった。年寄りの〈おとこのこ〉は ── すわって やすむ しずかな ばしょが ありさえすれば。わしは もう つかれはてた。と言った。では、と、── さあ ぼうや こしかけて。こしかけて やすみなさい。と、木は言った。本書の原題は THE GIVING TREE。

2021.5.23Rewrite
2021.1.23記す