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数百段つづく古道 2020年 神戸市北区

 空気終静。今後あたらしい取り組みをしないと決めている。六甲山最高峰(931m)まで子どもを引率できるほど十分に?健康だ。「他者先んじて自己生ず」と成句を創作した。他者に生かされて今日の自分があるわけだから、今まで自分が為してきたことを今後10年かけて伝えられるかたちにして遺しておこうと思った。謂わば、このことが”あたらしい取り組み”といえるだろう。

 当初「終活」という巷で使われる言葉を浮かべたが、どうも「活」が性に合わない。ぼんやり考えているうちに〈終静 しゅうせい〉に辿りついた。

座り心地のよい切り株

 シェル・シルヴァスタイン『おおきな木』(篠崎書林 1976/あすなろ書房 2010)のラストで「木」は自身の切り株に坐ることを老人に提案する。木が提供できるものは、もう切り株しか残ってないからだ。どうやら座り心地がよいらしい。

篠崎書林版より

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 ある〈おとこ〉が、ちびっこのとき、ある一本のりんごの木で、わがまま放題にあそんだ。〈ちびっこ〉の望みを、りんごの木はそのつどかなえた。
 〈おとこ〉は、少年~青年~壮年となるあいだ、望みをりんごの木に向けた。望みをかなえていくうちに、りんごの木は、とうとう切り株だけになってしまった。
 〈おとこ〉は、よぼよぼの年寄りになってしまった。
//すわって やすむ しずかな ばしょが ありさえすれば。わしは もう つかれはてた。//と彼は言った。//さあ ぼうや こしかけて。こしかけて やすみなさい。//と、よろこんでりんごの木は彼を迎えた。
 本書の原題は THE GIVING TREE。

2023.8.4健在です

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