|||||「お乳を吸う乳児の行動」精緻な表記 |||

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久保田正人『二歳半という年齢』1993年 p20-21より

//われわれ動物は、ものを食べたり暖をとったりすることを、そのとき自分にできるやり方でやっている。// そして、//赤ちゃんはそれを人手にたよるが、100%たよるのではない。//
ここからが精緻でユニークである。

//お乳を吸うのは乳児の仕事で、お乳は吸われないと出ない。それはやってみるとなかなかこつの要るもので、張りすぎた乳房でも大人がストローみたいに吸ってもうまくいかない。口の奥まで使う微妙な揉み方と吸い方は、景品の風船の頭の乳首のようなところを口の中へふくらませる要領である。//
※表現を工夫してくれてはいるが、わからない。そういうものだろうと思うしかない。

//この揉み方と吸い方、息のつぎ方は複雑な上に、赤ちゃんはここでなかなかの適応性を見せることを実験でたしかめている人もいる。(しかし実験となるとさっそく別の実験から疑問視されたりする。)乳首の形も乳の出工合もさまざまだし、哺乳瓶、匙まで出てくるからこの適応性は当然であろう。適応的に変化しながら遂行されることが、さらに言えば中断したり再開できるということが、おっぱいを吸うことにかぎらずその他の目的行動の経過様式の特徴で、初めから反射とはちがうのだと思う。//
※要は「反射」ではなく、赤ちゃんが生まれて初めてする「行動」であると指摘したいのだろう。

//ピアジェは知的行動の発達の話をおっぱいを吸うところから初〔ママ〕めている。やがて欲しいものに手をのばす、目的物にとどくためにまわり道をする、どこにあるか探す、というように行動が組織立ってくる。食べ物までに距離とハードルがあって個体がそれを乗り超〔ママ〕える作業をしなければならない状況は、人間と動物についての心理学の数限りない実験研究のために用いられてきた。//

2022.10.9記す

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