||||| つつじのむすめ |||

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絵本『つつじのむすめ』

 民話研究家の松谷みよ子が再話し現代(1974年)にリライトしている。燃える心を描いた絵は丸木俊だ。子ども向けとしては小学1年生で読めるが、おとなも読んで欲しい。

◆物語

 むすめと若者は、山を5つ越えて出会った。若者のまつりに招かれ、むすめは行った。夜通し続いたまつりは夜が明けて終わった。むすめは若者に惹かれてしまった。それから、毎夜、むすめは5つの山を越えて若者に会った。両方の手に〈ひとにぎりのもち米〉を手にして山を超えた。若者に出会ったときは2つの〈できたてのもち〉になっていた。夜ごとだったので若者は眠らず顔色は青ざめた。仲間に相談すると「それは魔性」という。ある日、若者は待ち伏せ、むすめを死なせてしまった。むすめの血が山に染まり〈つつじの花〉が咲き乱れたという。


 表紙の色からコバノミツバツツジ(赤というよりピンクだし、赤はヤマツツジを連想する)と思い込んだけれど、餅になる話から、モチツツジかもしれない。園芸種のヒラドツツジもネバネバする。春になると、園やまちで満開となり、これを背景にお話しできそう。

ネバネバつつじ

 こんな名前のツツジはないのだけれど、ある保育士が咄嗟に考えついたネーミング。これは、4歳児クラスで有効だった。

2019.8.3記す

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