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須磨アルプス南山麓

 私(山田利行)が初めてここを”発見”したのは、1970年代前半です。須磨アルプス「馬の背」付近から南へ下れば市街地に出ると見当をつけ、この水系に出会いました。急な岩場を下り容易に水系を見つけました。……と、まもなく、次の写真にでくわしたのです。

 えっ! 行き止まり! それとも、このトンネルを通るの? どこまで続いている? 友人(男性)と私のふたりでした。

 近づくと……こうです。真っ暗! なにも見えません。もちろん、出口も。しかし、連れと私はここを通るしかないと思い込んだのです。足もとは水が流れています。

 少し足を進めると真っ暗。まったく何も見えません。そのときの気分は、40数年前のことでもう思い出せません。通れず引き戻すことを予想して恐怖もあったと思います。

入り口は、遠ざかるばかり

 「真っ暗」とは、こういうものだ! 私たちは、押し黙ったか、騒ぎまくったか、覚えていません。すると……。

 このトンネル、両方の出入口が一瞬、見えないのです。ですから、どうしよう……と落ち込んだそのとき、片方の明かりが見えます。絶妙のタイミングです。暗やみでも、目が慣れてきます。目が慣れるとはいえ、真っ暗になる瞬間はあります。そして、片方の光りが射してくると、なんと暗かったはずの足もとが見えてきます。感動します。

「闇(やみ)」を知ることで「光」を体験することになる。

 光りに出会い、さて、私たちは感嘆の声をあげたか? 残念ながら、覚えていない。喜んだのは間違いない、だろうが……。
 後日、懐中電灯を持参し、再びここを訪ねた。びっしりとゲジが張りついていた。無数と表現してもよい。数千いや万を超えたかもしれない。カマドウマも多くいた。ということは、初めて通過したとき、ゲジはどうしていたのだろう。懐中電灯で照らしながら歩くと、ゲジは波打つように逃げていくのだった。こわい、気持ち悪いというより、感動したことを覚えている。
 ──それからのある日、ボーイスカウトの一隊がトンネルの出口で火を焚いている場面を目撃した。煙でいぶし、ゲジを追い出したのだ。その1回だけか数回なのか、わからない。その後、すっかりというかほとんどが姿を消した。ボーイスカウトは野外活動を愛する団体のはずだ。なんということをしでかしたか! 野外活動を指導する資格なしと言わざるを得ない。ゲジの復活を望む。 

じつは、矢印方向に進めば、トンネルを通らずにすんだのだった。

 なぜ、トンネルがあり、なぜ、こんなに透き通った池があるのか。ミステリーゾーンです。現地に足を運び、実地に確かめ、神戸市須磨区の歴史を調べてみることをお勧めします。そして、ミステリーはまだあります。

 トンネルと同時に見つけたのは、住民でした。居留している外国人と思いましたが、この碑からすると1988年8月に退去させられたようです。碑の建立は認められたようです。
 当時は、人の出入りもありました。川の水は、この集落より上流で行っていました。

 さて、ここで、このフィールドについて、地図を示しておきます。

 地図の赤い●印、天井川水系の入り口(登山口)です。大雨が降るたび、この風景はしばしば変わります。2018年夏の台風被害により、現在(2019.1)倒木で埋まったようにも見え、すっかり変化しています。

カゴノキの大木があります

 登山道としては、道幅のせまいところ、崩れやすいところも多くあります。水場に足を踏み込ませてしまうところもあるかもしれません。十分に気をつけることができれば、就学前、幼児年長さんでも歩けます。都市近郊にあって豊かな自然にふれることができる希少価値のあるフィールドです。

2019.1.27記す

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