5歳児について、男児が勝る傾向はあるが、性差ほぼ変わらずカエルやバッタなど生きものが好きだ。なぜ生きものに関心が向くのかは3歳児からの流れをよく観察して考察することが必要だろう。少なくとも「男の子は好き」(女児のときは、男勝り)という見方はジェンダー(社会的性差)に課題分けされるだろう。
幼児が関心を示す一つは、対象が動くからだろう。比して植物は動かない。カエルやバッタのように植物が動けば、おそらく関心は強くなるだろう。
1年目つまり竹のあかちゃんは、成句「雨後のたけのこ」は、日に日にその高さが増すことを言っている。動画を見ているようには動かないが、印を付けておけば翌日は驚かせるに十分なほど伸びる。植物は、工夫次第で動いているように見せることができる。食虫植物に関心が向くのも「動くから」だろう。または、動いていないのだが、「観察者の心」を動かすことで、植物を動かすことは可能だ。
あじさいを例にしよう。あじさいは人気者で、種類も多いし、生けられて観賞される。花が大きくて綺麗ことから幼児の関心を呼ぶだろうが、背景でしかない。幼児の心は動かない。カタツムリがいたら、どうだろうか。アジサイとカタツムリのセットは実際に見られることがほとんどない。もし見かけたとしても、それは偶然で、過去に誰かが結びつけた結果だろう。カタツムリに期待できないとすれば、では、どうすればアジサイは動くのか。
「花」をのぞいてみよう。雄しべも雌しべもなくて、花のまん中にポツッとした盛り上がった塊があれば、それが「つぼみ」だ。えっ? 花のまん中にツボミ? 花と見えていた部分は植物形態的には「がく」だが、幼児に説明する必要はない。つぼみばかりならば、切り花にして生ければ美しさを保つことができる。
しかし、つぶみが開き、雄しべが目立つようになると、まもなく「がく」の色が褪せてきて「枯れる」ということになる。
幼児は細かいことの発見が好きで、あじさいの”花”のなかを観察することで動きを感じる。あじさいの”開花時期”によるが、実物が咲いている園庭などで、色々なあじさいを観察し、”満開”とそうでない”つぼみ”ばかりを見つけるのも楽しい。
ここでは、あじさいを例にしたが、工夫して、植物のどこを見るか、あるいは直接動かすことで、植物に関心を向けることができる。
2021.5.23記す