||||| かこさとしによる発達臨界 |||

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  • かこさとし『日本の子どもの遊び(下)』(青木書店 1980年)p18

 「成長と遊び」の節で、発達臨界を区分している。

  1. 受精から出生まで
    • ──「〇歳からの教育」とか「三歳からでは遅すぎる」といいますが、この出生前のこの期間の大切さは、その後の状況を規定するといっても過言ではありません。しかし教育者や児童問題の専門家、なかには両親さえもこの間を医師や生物学者の世界と考えておられるようです。まして「遊び」との関係なぞ、皆無と考えられています。──
  2. 出生から1歳ごろまで
    • ──「愛情」にもとづいた行動がくり返されることによって──に始まり、二足歩行に取り組むさまから、──こんな面倒で苦労なことをほうびもなく、強制もされないのにやりとげる力は、遊びを楽しむ力と同じです。──とある。
  3. 1歳から3歳ごろまで
    • ──歩きまわれるようになった子は、視野が広くなり──から始まる。
  4. 3歳から6歳ごろまで
    • 遊びが増進されるときで、──「遊び」が、なんらかの制限や規制をうけ──ることにより、──意欲を失って無気力──になると警告し、──喪失は成長への意識的行動力をも失わせるため、勉学や人生にたいする強い意欲をも失わせる──としている。
  5. 6歳から10歳ごろまで
    • 文字や図形などを使った抽象思考ができることを表し、──個性や適性の自覚によって、ますます自分の得意の分野や好みを、自分で開拓し、励んでゆくこととなります。──
  6. 10歳から15歳ごろまで
    • ──それまでの幼稚さや未成熟なものには魅力をもたずさらによきもの、美しいもの、すぐれたものへと憧れ、それを自分の目標とする年代になります。──

 出生前を画期に含めていることを留意しておきたい。加えて10歳を境に「おとな」への画期としていることも同意できる。

2021.6.22記す

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