||||| 久保田正人『二歳半という年齢』読書メモ |||

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  • 久保田正人(くぼた・まさんど)
    『二歳半という年齢』
    • 副題:認知・社会性・ことばの発達
    • 新曜社 1993年
    • 著者紹介:本書奥付より
      • 1930年 東京生まれ
      • 東京大学文学部心理学科卒業
      • 精神発達、精神発達障害を研究

p13
//無感情だと思われがちな盲の乳児の身体の動きに注意して反応するようにして、親自身がその子を可愛らしく感じられるようになるという報告がある。//

p16
//次章からとり上げるいろいろの行動には目を使う行動がたくさん出てくるが、行動の文脈像と主旨という点から考えると、それらは手でさわってみることと多くの場合に同じことである。それで、目や耳に異常のない子どもの例にもとづきながらも、先天性の盲聾の人でも原理的には同じように成り立つこととして考えているのである。//

p21
//g男(0歳6ヵ月)が絵本に手をのばして熱心に見入り、大人がわざとページに手をおいてじゃまをするとこれをはらいのける──というのもこの行動の例となる。//
※鋭い観察だ。「この行動」とは、外界とわたりあう作業。

左絵はp33 ◎11ヵ月の女児が「かご」に入って遊んでいた(左絵1) ◎抜けだそうとして左足を出した(左絵2) ◎かごの端に手を置くと、かごが動く〈矢印↓〉ことで 残った右足が抜けない(左絵3)
さて、どうしたか?
著者曰く。試行「成功法」によって足が抜けたという。
//2、3回うまくいかない試みをしている間に、自分と自分に連動するかごとの全体の動きから、適切な支点を取りなおすという調節活動の範囲内のことと見る方が無理がない//p32
※女児は、端をやめ、かごの底に手をついたら(左絵4)足が抜けた、という。

p34
//雑誌『どうぶつと動物園』の昔の号で見た記事。巻号をたしかめられないでいる。//
※「脚註マーク」を付した脚註。こんな注釈のつけかたがあるのだ!

p37
あおむけに寝ている女児(3ヵ月3週)が見えるように、直径15センチくらいの刺繍枠を2つぶらさげた。この枠をゆっくり左右別方向に離していくと──
//女の子は一方を目で追いながら他方に目を移し、またもとの方を見、ということを何回かくり返してくれた。二つ以上のものに同時に注意を配り、これらをくっつけたり並べたりすることは有効な発達検査項目だが、子どもは早くから目だけでもそういうことをしていると言えるだろう。//

p44
//第一種の模倣//
に相当するものは、今日において 「模倣(まね)そして共感という能力」 に置き換えられる内容と思われる。

2022.10.9記す

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