ライアル・ワトソン『エレファントム』p327
デズモンド・モリスがグラナダテレビ生放送「動物園の時間(ズー・タイム)」で行った懸賞企画番組。
//応募するための条件は、解答とともに自分のいちばん好きな動物と嫌いな動物を動物を書くことだった。デズモンドの目的は、この好き嫌いのデータを集めることだった。
番組には何十万という数のはがきが殺到した。普通なら入念なアンケートと数年間にわたるフィールドワークが必要な仕事を、彼はわずか1分間の呼びかけでやってのけたのだった。彼の弟子だった私は、動物園を埋め尽くす勢いのはがきを一緒にチェックさせられた。一枚一枚に目を通して回答を記録し、回答者の年齢と性別ごとに分類していった。その結果は実におもしろいものだった。
予想どおり、最も人気があるのは人間に似た動物だった。チンパンジーと擬人化された熊だ。最も人気がなかったのは、当然ではあるけれど、蛇や蜘蛛だった。ここまでは予期した結果だった。でも地域や文化との関係を調べたところ、思いがけない偏りがいくつか見つかった。
10歳前後の女の子が馬を非常に愛していることもわかった。そして最もおもしろいのは、年齢による移り変わりだった。10歳以上の男女は、小さくて扱いやすい動物を好むことが多い。ハムスターやウサギなど、躾けたり育てたりできる動物だ。赤ん坊の代わりのような存在なのだろう。
それに対して6歳未満の子どもは、とても大きな動物が好きらしい。大人や親を象徴しているのだろう。恐竜も多くの票を獲得した。これは調査のなかで唯一、絶滅した動物だ。しかし、さらに小さな子どものあいだで抜群の人気を誇っている動物がいた。象だった。//
※続けて
※幼児は、概して、背が高い人物・声が大きい人物に寄っていく傾向がある。
p325 //意外なことに、マザーグースには象の歌がひとつもない。//
デズモンド・モリス『裸のサル』文庫版 p275~
※上記について、詳述されている。
2023.7.30記す