||||| 本田和子『変貌する子ども世界』読書メモ |||

Home > 書庫

本田和子 ほんだ・ますこ
『変貌する子ども世界』
+ 副題:子どもパワーの光と影
+ 中公新書 1999年

pⅰ
//前世紀の後半〔19世紀の後半〕、ヨーロッパ社会に激震をもたらした「進化論」と、そこから派生した「優生学」も、社会の中心に子どもを押し出し、時代のまなざしを彼らに注がせることに貢献している。//
pⅱ
//ヨーロッパ世紀末を席捲した「優生学による種の改良」は、新しい世紀に向けて声高に主唱された希望の言葉だったのである。//
pⅱ
//あたかも「児童の世紀」というそのスローガンに呼応するかのように、先進諸国では「児童研究」が隆盛を極め、その科学的成果を踏まえた「学校教育」が、子どもたちを漏れなくその腕のなかに抱え込む。さらには、進展し続ける市場経済は、「子ども」をターゲットとして子ども向け商品の開発に努め、ようやく安定した集団を形成し始めた都市中産階級がその顧客となる。//
pⅶ
//老後の生活が心配であるという、大人側の身勝手な不安材料として話題とされるのである。//

2023.9.8記す

© 2024 ||||| YAMADA,Toshiyuki |||, All rights reserved.