||||| 石鎚山登攀 1970.8 |||

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 第12回国立公園大会が石鎚山の麓、東予国民休暇村(瀬戸内海国立公園)で行われ、これに参加した。「国立公園大会」を選んで参加したのでなく、日本自然保護協会に加入したばかりの最初のイベントがこの大会だった。当時は神戸市に住んでいて単独参加、20歳だった。
 自衛隊がキャンプ(野営基地)を設営し、50人(記憶のため、たぶん)は入れるであろう大きな家のようなテントだった。そうしたテントはいくつもあった。給水車が走る。弁当は缶詰ご飯で、これを温めて調理する専用車もあった。車が走れるほどに野営地は広かった。
 夜、ファイアをするというので、私の所属する団体もスタンツを何かやれ!ということになった。それで「♪あぶらむし、ぴっぴっ!」というダンスを選んだ。皇室殿下夫妻が参列し、その前で行うらしい。はずかしいというよりも、わけわからない。
 さて、日が暮れ、ファイアの木が組まれた。太い木が高く積まれている。照明に煌々と照らされている。私たち一般人がするファイアでは絶対におめにかかれない。いつになったら皇室が現れるのだろうと、固唾をのんで時を待った。絨毯が敷かれていることに気づく。そこへ、車が停車し、下車する人たちの一群。なんとクルマで来るのだ!
 またたくまに出番が来て、「♪……そのまた子どももあぶらむし、ぴっぴっ」とやった。ファイアの火でなく、照明の灯りで周囲真っ暗、何も見えないまま終わった。ファイアのひとときが終わり、皇室はクルマで消えた。ファイアの火は隊員が消化ホースで消した。すさまじい体験だった。
 テントは蚊帳に覆われ、広くて、快適に眠られた。朝、隊員が隊列を組み、駆け足訓練をしていた。野営は訓練の一環だったのだろう。

2020.3.22記す

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