||||| 絵本『ガンピーさんのふなあそび』|||

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 ガンピーさんは、ふねをいっそう持っていて、さあ お出かけだ。男の子と女の子が寄ってきて「つれてって」と言う。ガンピーさんは「けんかさえ しなけりゃね」と約束して、のせてあげる。ふねは進む。こんどは、うさぎさんが乗せてとお願いする。「いいとも。とんだり はねたり しなけりゃね」と言って、お客に加わった。次に〈ねこ〉。ガンピーさんは「うさぎを おいまわしたり しなけりゃね」と忠告しました。次々とお客は増えます。〈いぬ〉〈ぶた〉〈ひつじ〉〈にわとり〉。なんと!〈こうし〉も。〈やぎ〉も。

 ラチョフ『てぶくろ』でも、たくさんの動物たちがお願いして次々と入れてもらう。不思議だが、入れる。子どもの素敵な世界! 無理だと思っているおとながいたとしたら、それは間違っている。ほんとに入れるだから。

 ガンピーさんとお約束したのに、楽しくって忘れてしまう。

 やぎがけっとばし……
 こうしがどしんどしんあるきまわり……
 にわとりたちがはねをぱたぱたやり……
 …… ……
 …… ……

 とうとう、ふねがひっくりかえる。さて、どうなるのか? みんな、ずぶぬれ。

 …… おひさまにあたって、からだをかわかした、とさ。
 ガンピーさんは言う。
 「そろそろ おちゃの じかんだから」
 おちゃの時間を楽しんで、ガンピーさんは……。
 「また いつか のりにおいでよ」

 ジョン・バーニンガム作。こうして見守られ、子どもは育つ。

2022.8.14Rewrite
2019.7.1記す

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