
ガンピーさんは、ふねをいっそう持っていて、お出かけしました。男の子と女の子が寄ってきて「つれてって」と言いました。ガンピーさんは「けんかさえ しなけりゃね」と言って、のせてあげました。ふねは進みます。こんどは、うさぎさんが乗せてとお願いしました。「いいとも。とんだり はねたり しなけりゃね」と言って、お客になりました。次に〈ねこ〉。ガンピーさんは「うさぎを おいまわしたり しなけりゃね」と忠告しました。お客は次々増えます。〈いぬ〉〈ぶた〉〈ひつじ〉〈にわとり〉。なんと!〈こうし〉も。〈やぎ〉も。
ラチョフ『てぶくろ』も、たくさんの動物たちがお願いして次々と入れてもらいます。不思議ですが、入れるんですね。子どもの素敵な世界です。無理だと思っているおとながいたとしたら、それは間違ってますよ、ほんとに入れるんですから。私は大好きなお話しです。
ガンピーさんとお約束したのに、みんなは楽しくって忘れてしまいます。
やぎがけっとばし……
こうしがどしんどしんあるきまわり……
にわとりたちがはねをぱたぱたやり……
…… ……
…… ……
とうとう、ふねがひっくりかえります。さて、どうなるのでしょう。みんな、ずぶぬれ。
…… おひさまにあたって、からだをかわかした、とさ。
ガンピーさんは言いました。
「そろそろ おちゃの じかんだから」
おちゃの時間を楽しんで、ガンピーさんは最後に言いました。
「また いつか のりにおいでよ」
1976年、ほるぷ出版から刊行され、今も購入できます。ジョン・バーニンガム作。
こうして、見守られて、子どもは育つ。
2019.7.1記す