「こたえは一つ」とは限らない

「りんごが2つ、みかんが3つ、あります。あわせて、いくつ ありますか?」2+3=5と数式が浮かび、即座に答えられるのは「おとな」であり、子ども、特に幼児(5歳児)は、そう簡単ではない。
まず、「あわせて」がわからない。

これならば「5つ」の声が聞こえてくるかもしれません。
では、おとなは、むずかしいと思わず、どうして答えられるのでしょうか?

数を答えるという目的のとき、おとなは、それぞれの属性(色や形など)を無視して、数量にだけ関心をもとうとします。
おとなは求められている解を想定する力があります。しかし、幼児や小学1年生では、あるいは知的な発達障碍があるときは、「求められている」ことの理解に及ばないわけです。
「りんご」も「みかん」も身近であるだけに、どちらが好きかと問われれば応えられても、数をあわせることに意味をみつけられないわけです。

「りんご」と「かに」をあわせて数を問われれば、おとなでも答えに困るでしょう。

「柿+かに」であれば「さるかに昔話」という珍答が得られるかもしれません。
「こたえは一つ」とは限らず、一つであっても、その解にたどりつく過程は複雑であって、問題が単純である場合は、その過程を一瞬でこなせる能力が身についているということになります。
2019.3.6記す