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儒教の徳目〈智仁勇〉に対して
我が徳目〈智仁素〉
- 武士道の骨組を支えたる鼎足(ていそく)は智仁勇であると称せられた。(p93)
- 現代においては、──
- 智…生涯、学びなさい。
- 仁…やさしくあれ。所謂「勇気」は仁より生ずる。
- 勇…決心を促し、正義こそ真、行動せよ。
- 〈智仁勇〉は、儒教の根本徳目とされる。
- 現代においては、──
- 〈智仁素〉
- 〈勇〉は、〈仁〉を高めることで達成できると考えるので重複感があること。〈勇〉は武士をイメージしてしまい現代に合わない。決心を促すのはシンプルな生活、モノの支配から遠ざかる暮らしを心掛けることと考え〈勇〉を〈素〉に置き換えてみた。
2019.11.18記す
貞山政宗公 遺訓
仁に過ぐれば 弱くなる
義に過ぐれば 固くなる
禮に過ぐれば へつらいとなる
智に過ぐれば うそをつく
信に過ぐれば 損をする
2021年5月19日放送、NHK連続テレビ「おかえりモネ」(第3回)で「貞山政宗公 遺訓」が壁に貼られていた。見逃しでもう一度みて書き写した。貞山正宗とは伊達政宗のこと。セリフで、人にやさしくしすぎたら(仁のこと)相手がダメになるというようなことを言っていた。わたしは、違うな~と、ちょっと反撥。ダメになるかを気にしなくてよい。「やさしくあることに」程度は必要ない。限りなくやさしくあってよいと思う。
智については、言わんとすること、わかるなあと思った。
2021.5.22記す