||||| 3歳未満で決まる汗腺の数 |||

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藤田紘一郎『水の健康学』新潮社 2004年
p36
//発汗は全身で起こるが、髪のはえ際や首、顔でよく起こる。ここにはエクリン腺という汗腺がある。
 からだ全体で41度ぐらいまで体温が上がることがあるが、脳は40度以上になると熱性痙攣を起こしてしまう。顔に多くの汗腺があるのは、ここで血液の温度を下げ、脳の温度を上げないようにしているのである。
 日本人の汗腺の数は、平均で約350万個といわれるが、実際に汗を出しているのは、このうち220万個で、これを能動汗腺という。この能動汗腺の数は2歳くらいまでで決まるという。
 日本人でも、インドネシアなどの暑い地域で生まれた子どもの汗腺は多くて、エアコンの利いた環境などにいる子どもは汗腺が少なくなって、汗が出にくい。//
※藤田紘一郎……寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学を専門とする医師


 「2歳くらい」というのは、3歳未満という理解でよいのだろうか? 保育室は空調のため閉め切っているのが一般的だ。汗をかく・かきすぎることが皮膚の保護のために、ほか、健康によくないと捉えられているのだろう。蚊にさされないような配慮もあるだろう。締め切ることで保安上の安全確保もできる。これらには一理あると思うが、通気させて、ほどよい汗をかかせることも大切なことかもしれない。

エズモンド・モリス『裸のサル』角川文庫 p56
//体表全体に汗腺の数が増したことによって、空中に露出し張りつめた手足と胴全体の表面には蒸発する液体の膜がたっぷりと生じ、相当な冷却効果を達成することができた。//……//このシステムは、気候があまり暑かったら成功しなかったであろう。なぜなら露出した皮膚は障害を受けやすいからである。しかしほどよい暑さの環境なら、それは許容できるものであったろう。//

2023.6.26Rewrite
2020.3.24記す

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