涙は自分のために流す、人のために流すことはない。

誰がために涙は出る。
── 自分のために出る。──

 別れの涙、感激の涙、嬉しすぎてにじむ涙、くやし涙、ころんで泣く子どもの涙、タマネギをみじん切りしながら出る涙(これは違うか)、目にゴミが入って出る涙(これも違うか)、映画をみてせまってくる涙、満員電車で本を読んでいたら思わず涙、なんで泣いているのかわからないあかちゃんの涙、ぽろっぽろっとこぼれ落ちる涙、瞳をうるませる涙。
 ── ぜんぶ、自分が原因して出る涙だ。同情して、わたしのために泣いてくれている、あるいは、励まされているメッセージを含むような場面もあるだろう。なんて、やさしいのだろうと他者の気持ちに救われることもあるだろう。それはそれで良しとしよう。でも、友達を慮って涙を見せているだけではなく、涙が出る理由は、涙を流している本人に優先してある、と私は思う。

 ── と、ここまで記して、しばらく放置しているうちに、このテーマにピッタシの絵本が出版社された。

2021.3.15Rewrite
2021.3.2記す