||||| リモート授業は「自然と外遊び」に適さない! |||

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 コロナ禍(2000年2~5月)で、リモート授業(インターネットを利用したオンライン授業)を経験することになった。保育士養成校での授業について結果1回(2020.5.12)だけだった。わずか1回の体験だったけれど、気づいたことを記しておきたい。

●その1:学生は〈プロ〉ではない。

 オンラインによる会議やテレビ報道は珍しくなくなった。それらの会議では発言したい人やそれに慣れた人たち、つまり、プロだ。だから、最初の違和感がぬぐえれば、こういう方法があるのかと教えられる。
 しかし……。学校は、先生vs学生。我が保育士養成校(神戸こども総合専門学院)に関しては、最初の授業ということもあるだろうが、”議論”にならない。学生からのレスポンスを得にくい。学生の数はわずかで9人。顔は見えるが、時折眠くなって伏せっている。
 90分1コマ。午前2コマ、午後2コマ。休憩時間10分間。昼食時間50分。そして、私の授業は4限目。このことから言えることは、小さな画面を90分間見続けている。10分間の休憩時間は短すぎる。60分間のインターバルがあってよいと思う。昼休みの50分も短い。2時間あってもよいと思う。ということは、1日で4コマは無理だろう。4限目の私の授業では、疲労感がありありと窺える。

●その2:リモートでは成立しない。

 私の授業名は「自然と外遊び」だ。

 幸いにも授業の一部(週2回)を通常授業とすることになり、私のような屋外や実技を主にする講義が割り当てられた。通常授業となった初回、自分が目的とする授業内容とは関係なく「主体性」について話した。

 50年前「子ども中心主義」が流行った。これは現在では否定されている。言葉が似ているのでこのことに触れた上で、「主体性」について話した。保育指針や幼稚園指導要領で最も重要なキーワードだ。「主体性を重んじる」というようにつかわれる。保育において、幼児はあらゆることでレスポンスが速い。双方向が成立する。だから、子どもが今そのとき何を望んでいるのか、サポートで何が必要なのかまたは必要でないのかをタイミングよく考えられるし対応できる。このことを身につけることが保育士の専門性といってよいだろう。専門学校として知識や技術を習得するだけでなく、保育士の特殊性として「おとな思考」になりやすい自らを「幼児思考」もできるようになる訓練が必要だ。つまり、学生と先生の関係で「主体性」を体験することが求められる。が、しかし、リモートでは成立しない。教室では「わずかに頷くような」表情が読みとれる。だが、小さな画面では読みとれない。

●その3: 蛇⁉

 4限目なので、どうしても眠くなる。一方的に話ばかり聞いていると生理的に眠くなる。今回は「野外は、危険がいっぱい!」がテーマだった。そこで、蛇に順番がまわってきた。目前の学生が眠くてたまらない。そこで、蛇(写真)を学生に投げた! 驚いて目を覚ました。この”蛇”はなかなか説明しやすく良かった。これもリモートでは出来ない!

2020.5.20記す

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