||||| 帆塾通信 43 : 2020.4.15 |||

Home > 帆 塾 > 通信バックナンバー

きたえる おもいやる ゆずる

=-= Letter 1 ¶ 長い~長い~春休み

 とでも言えばよいのでしょうか?
 4月から一年生と、真新しいランドセルを背負い、待っていた子どもに「入学式は……」とおとなの都合を押しつけてよいものでしょうか。もちろんいのちを守ることが最優先ですからやむを得ないとしても、そしてウイルスのせいで、おとなの都合でもありません。それでも……と私は思います。
 仕事をどう続ければ……食べるものは……収入は……そう簡単に割り切れるものではありません。震災のとき、私は45歳で、今風に言えばフリーランスでしたから、何もかも停止し絶望の淵に立ちました。緊急事態宣言の期限5月6日が過ぎれば……その先もわかりません。
 いつ収束(終息ではなく)するか、まだまだ先のようですが、収束がみえてくる日を期待して、冬眠からさめて活動するいきものと同じように準備をしておきたいと思います。

=-= Letter 2 ¶ あのとき、もしかしてコロナに……?

 「女性セブン 2020年4月23日号」の記事によると、──新型コロナにはS型と感染力の強いL型があり、京都大学大学院医学研究科・医学部特定教授の上久保靖彦さんらは論文で「S型がL型よりも早く中国から伝播し、部分的な抵抗力を与えた」と発表した。──とありました。神戸元町の南京町へ、私は用事で度々出入りしていました。
 そして、一昨年の4月つまりちょうど2年前、2018年4月、熱はさほどなかったものの得体の知れないしんどさ(風邪でもなく下痢もなく)が2週間ほど続いたことを思い出しました。開園したこども園に赴任したばかりだったので、保育園でよくあることで何かに感染したと思っていました。このときの前後は、いたって健康だったので、このときの自分に不審がありました。S型に罹患していたのだろうか? でも、注意、注意、油断禁物。サイレントキャリアにならないよう心得ます。

=-= Letter 3 ¶ NHK-BS「パンデミックとどう闘うか」を二夜連続でみた

 イタリア人ウルバニはベトナムで正体不明の肺炎をSARS(=この名称はウルバニ死後に名づけられた)によると発見し、救援を求めるとともに、全世界に警告を発するようWHOに要求した。2003年の頃で、未知のウイルスに人類はまだ備えがなかった。彼は、SARSに罹患し、帰らぬ人となった。
 2008年、鳥インフルエンザは人にも感染することが認められ、全世界で最悪1億人の死者が出ると警告された。アメリカでは、呼吸器が足りなくなったときの備えとして、生きる者を選択するマニュアルが作成された。日本はこうした備えがまったくなかった。

 私は、この2本の再放送をみて、2つのことを思った。ウルバニの遺体はイタリアに帰ったとき、人々は悲しみとともに賞賛を与えた。歴史はこうして人によって書き換えられる、と。2つめは、呼吸器を提供し次にまわす側に私はいると思った。日本では未だにそういう法律も準備も手つかずだ。ということは、もしコロナに罹れば、意識あるうちに呼吸器を外されることに同意しておくことだと思った。そして、今は、まさにその波が押し寄せようとしてきている、と。津波に喩えたコロナ禍は、見えないウイルスという菌だけでなく、どす黒くしているのは政府と頭脳明晰なはずの官僚たちだと思った。

=-= Letter 4 ¶ 家庭学習のヒント

(1)国語 / 漢字

 漢字は偏(へん)と旁(つくり)さらに冠(かんむり)など部首で成り立っています。ですから、部首をおぼえることが漢字学習のポイントですが、その部首のほとんどをおぼえるには3年生修了を待つことになります。ですから、4年生以降と、それまでとは、漢字学習のしかたが違ってきます。
 3年生修了までは〈記憶〉つまり、繰り返し学習が基本です。4年生以降は、漢字のしくみから理論的に学ぶと効率がよくなります。
 ということは、3年生になったばかりで学習が始まらなくても、漢字に限っては、教科書を頼りに1年ぶんを早めに学習(記憶練習)して問題ありません。書き順も教科書に載っていると思います。
 4年生になったばかりでは、先に進むより、3年生までに習った漢字について、100点をめざして確実にマスターしておくことです。そうすることで、苦手だったとしても得意になるでしょう。

(2)算数 / 割合

 算数は、分数で解く割合問題が出てくる4年生でつまずきやすくなるようです。分数や小数、およその数(だったかな?)など、割合問題を重点に復習しておけば、と思います。

(3)社会 / 地図

 コロナの世界的流行(パンデミック)で国際ニュースがよく伝えられています。地図や地球儀で、国や地域を確かめてはどうでしょうか。

(4)読書

 芦屋市立図書館は休館ですが、事前に予約しておけばその受け取りはできるようです。

  • 日本や外国のむかしばなし
  • ギリシア神話(西欧の習慣や文化理解には必須)
  • 漫画による学習書など
    • 授業の代替にはなりませんが、のちのち役立つでしょう。

若年層や子どもの感染事例も増えてきました。
人と出会わないのが、どうやら一番の予防策のようです。
長期間にも、なりそうです。
工夫して、耐え忍びましょう。

=-= Letter 5 ¶ なわしろぐみ

親水中央公園(芦屋市)東端・出入り口付近で
ナワシログミの実が熟れている頃です。

 食べられます。おいしく、その場で食べられます。気になる方は持ち帰って洗ってから食べたらよいですが、幼児であっても、ひとくち、ふたくち程度はできればそのまま食べてみてください。そうすることで雑菌に負けない身体づくりになります(過度な清潔を警告している感染免疫学の医師・藤田紘一郎さんの主張でもあります)
 場所は、公園東出入り口にある公衆トイレの裏側です。トイレの近くとはいえ、衛生的には関係ないと思います。

=-= Letter 6 ¶ 連載:擬育(育てるは似せること)

夕陽は大きく見える

=-= Letter 7 ¶ コロナ禍で最後にもう一度

 例会の案内を掲げることができませんでした。とても残念です。緊急事態宣言がさらに延長されることも想定され、政府の対応や報道、あらゆるところからもたらされる情報から、5月末までは延びると多くの人たちが思っているし、6月も延々と続くのかもしれません。
 子どもたちの学習保障、発達保障のことを思うと正直とても暗い気持ちになります。これまではぼんやりとしか考えてこなかったのですが、明治まで遡っても乳幼児に始まる子どもの教育が軽視されてきたことについては、私の主張するところでした。それが帆塾に辿りつきました。このことは、この通信を読んでくださっているみなさんにはご承知のことです。
 コロナ禍が夏休みにかかってしまっても、子どもたちの発達保障のため、取り戻すべく計画を遂行する決意です。
 そのためには、今は、みなさん、健康を維持してがんばりましょう。私も、少々、義理を欠いても、三密回避に徹し、子どもたちと再会できることに専念します。

  • 次の配信は、5月1日(定期配信)を予定しています。
  • 発行人: 山田利行(帆塾主宰)
  • e-mail: yamada-toshiyuki@19san.com
© 2024 ||||| YAMADA,Toshiyuki |||, All rights reserved.