デズモンド・モリス『裸のサル』角川文庫 p132
//サルの赤んぼうは、生まれた瞬間から母親にしっかりとしがみつける。出産の最中でさえ、赤んぼうは母親の毛をつかむことがある。これと対照的に、われわれの種では、新生児は無力で、腕や肢をちょっと動かすことができるだけである。うつぶせにされたとき、手助けなしにおとがいを床から離せるようになるのには、1か月もかかる。2か月で、胸を床から離せるようになる。3か月目で、つるした物体に手をのばせるようになる。4か月で母親にささえてもらってすわっていられるようになる。5か月目で母親のひざにすわり、物を手につかめるようになる。6か月になると、イスにすわり、ぶらぶらしている物をうまくつかむことができる。7か月で手助けなしにひとりですわっていられるようになる。8か月で母親にささえてもらって立ち上がれるようになる。9か月で家具につかまって立ち上がるようになる。10か月で手とひざで這うことができるようになる。11か月で、親に手をとってもらって歩けるようになる。12か月で、物につかまって立っていられるようになる。13か月で階段を登れるようになる。14か月で、物につかまらずにひとりで立ち上がれるようになる。15か月で、とうとう助けをかりずに歩くという偉大な瞬間がやってくる(これらは、もちろん、すべて平均的な数値であるが、われわれの種における運動と姿勢の発達の様子を知るには十分であろう)。//
(参考)岡本勉・岡本香代子
+『乳幼児の歩行獲得 ──立位から安定した歩行へ──』
+ 歩行開発研究所(大阪府茨木市) 2013年
2023.7.10記す