ラジオ体操の「よい姿勢」

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 朝、つけていたテレビからラジオ体操の放送が流れてきた。「ラジオとテレビで同時に放送しています」というようなことだった。事細かには覚えていないが、全国1000万人が一斉にラジオ体操イベントに参加しているという。NHKのラジオ体操は国民運動といってよいだろう。ラジオ体操の論評をするつもりはない。

 「もういちど よい しせいに もどして」という体操を指導する人の声が耳にはいった。天邪鬼なわたしは「よい姿勢」の「よい」に反応してしまった。
 おそらく誰も「よい姿勢」の指示に反応しないだろう。〈(体操が)さらに続く〉〈もう少しがんぱろう〉というタイミングをとっているようなものだ。なかにはいるかもしれないが、姿勢を意識する人は多いと思えない。ラジオ体操にかける時間は短い。短いから、多くは、”よい”姿勢をとったまま続けているはずだ。腰がまがらないなあと、反省している人は多いだろう。どうでもよい話でここまで費やした。

 わたしが言いたいことは、「よい」という言葉を指導者は反撥(はんぱつ)されることなく指示でき、「よい」という言葉を大衆は聞かされる。一般的な健康体操でも「正しい姿勢をとって」というフレーズで「正しい」という言葉を聞かされる。「よい」とか「正しい」ではなく、ほかの言葉やフレーズで指示できないものかと思う。あるいは、そこに「よい」を挟まなくても進行できるのでは? と思ってしまう。全国1000万人が同時に言葉「よい」で進行される。

 ラジオ体操は国民の健康を維持するに貢献度は大きいと思う。水をさすつもりはないけれど、そこにつけこんで「よい」でサブリミナル効果をねらっているとしたら、こわい話だ。考えすぎだろうか。

2023.8.20記す

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