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経験と体験はどう違っていて、どうつかえばよいのだろうか?

新明解国語辞典第三版
【経験】
//実際に見聞きしたり 自分でやってみたり すること(によって得た知識や技術)。//
※用例
二日間の経験に照らし・苦い経験が生かされる・得がたい経験を積む・経験が浅い・尊い経験経験者・経験
【体験】
//直接自分自身が経験すること。また、その経験。//
※用例
体験を・生かす(ふまえる):初体験

広辞苑第三版
【経験】
//人間と外界との相互作用の過程を人間の側から見ていう話。人間のあらゆる社会的実践を含むが、人間が外界を変革するとともにまた自己自身を変化させる活動が最も基本的なもの。
イ)人間の直接にぶつかる事実。
ロ)ぱらぱらな非組織的な事実。
ハ)感覚。印象。
ニ)外界・内界の両面から見た意識過程。
ホ)何事かに直接ぶつかる場合、それが何らかの意味でわれわれの生活を豊かにするという意味を含むこと。「得がたい経験
ヘ)何事かに直接にぶつかり、そこから技能・知識をうること。「経験を積む」//
【体験】
//自分が身をもって経験すること。また、その経験。「戦争体験」//

【経験】に対して【体験】の語釈は短い。辞書から解釈すると、上図1,2のうち、「2」の包含関係に近い。しかし、われわれは厳密に使い分けているだろうか? 上の用例において、経験と体験を入れ替えて使われても、違和感を感じない、のではないだろうか?
 国語的な二者の関係、使い分けは、この程度にしておこう。

 幼児の野外活動では、「幼児」という年齢からして「体験」が似合う。
 当の本人では、どうだろう。3歳のときの体験は、4歳にとっては「経験」になる。その「経験」をもとに新たに目標をもつことになり、新たな「体験」を目論む。
 わかるような・わからないような説明だ。この程度にして、使い分けについては、あまりこだわらないことにしよう。

 辞書的には「2」が”正解”ということになろうが、幼児の体験活動を考えると、「経験」が新たな「体験」を生むことがしばしばで、幼児にとっては「1」が”正解”という見方があってもよいのでは……。または、「1」→「2」→「1」→……というサイクルを生むのかもしれない。

2023.9.30記す

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