||||| DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)失調症 |||

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 「DMN」は、(D)デフォルト・(M)モード・(N)ネットワークの頭文字をとった略称。脳機能が活性している状態に対して、その安静状態をDMNという。
 「デフォルト・モード・ネットワーク」については、『人体:神秘と巨大ネットワーク:第3巻』(東京書籍 2018年)に、この用語の起源に関する記述がある。
//レイクル博士〔※〕は1998年、安静時には脳の活動レベルが高くなるとの考えを発表しようとしたが、当時は論文の掲載は拒否されたという。というのも、ぼーっとしているときにこんなにも多くのエネルギーを使っているなど、にわかには信じがたい話だったからだ。
 それから約20年、MRIなど脳を調べる画像技術の進歩もあり、世界の脳科学者たちの間でデフォルト・モード・ネットワークの研究が進んだ。//
//デフォルト・モード・ネットワークの発見は脳科学の大きなパラダイムシフトをもたらしたといえる。//(p130)※レイクル博士……マーカス・レイクル博士。アメリカ・ワシントン大学。「デフォルト・モード・ネットワーク」の名づけ親。
参考▶ 直観と直感:ひらめく:DMN

 さて、このDMNという概念に出会って、ひとつ思いついた。いわゆる「ゲーム脳」は依存症のひとつとしてその弊害を主張している。「ゲーム脳」という捉え方の適否はここでは問わない。依存症ということは、脳が「非DMN」の状態ということではないか。つまり、DMN失調症ということだろうか、と考えてみた。もちろん、DMNが失調するという状態があり得るのか、は問われなければならない。いかなる状況におかれても、DMNは発生するのかもしれない。その発生頻度が極端に少ないか、回数だけではなく、極めて長時間連続して非DMN状態になれば失調状態と見なせるか。病的ではなくても、脳機能を長時間活性化状態にしておくのはよくなく、頻繁に休ませる(DMN)ことが肝要ということかもしれない。
 ゲーム脳に限らず、ギャンプル依存など△△「依存症」とDMNは関係しているのだろうか。

2024.6.26記す

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