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ときを刻む針
数字は「1」から始まる。否、「0」からだろうか。0より一つ小さい「-1」についてはどう考えたらよいのだろう。こんな訳の分からない話は、これでやめる。
さて、宇宙の「はじまり」は? 宇宙はビッグバンに始まった──ということだ。『ホーキング、宇宙を語る』ハヤカワ文庫 1995年 p169 //ビッグバンそのものの時点では、宇宙は大きさゼロであり、// とある。別な本では針の先ほどという表現だったか、いずれにしても小さい。「0」から出発したということは、間違いないらしい(と、しておくしかない)。星空を見上げて思いにふけったり、太陽の恩恵を受けており、「はじまり」があったから「今」がある──と、ふつうは考える。
S・ワインバーグ『宇宙創成はじめの3分間』ちくま学芸文庫 2008年
p189
//無限に大きい温度と密度をもった状態であるような本当の始まりが、第1フレームの0.0108秒以前にあった〔ビッグバンのこと〕に違いないと推察することがたぶんできる。//……//ミクロな物理学に関する私たちの無知のベールのために、宇宙のごく最初はなおはっきりと眺めることができない。//
時計の針が刻む時刻や時間について、元を辿れば、針は”なかった”。針が現れたのはビッグバンその瞬間だった。
白川静『常用字解 第二版』(↑左)。(右→)小川環樹ら『角川新字源』。常用字解は新字源「宙は時間」の語釈を排除し、宇宙の二文字とも「空間」としている。わたしの(おそらくみなさんも)実感では、天を見上げて晴れていれば、空は青く、夜は星を仰ぐ。このひろがりを宇宙と思うのではないだろうか。
「ひろがり」を前提にして、あるいは、観念として、ビッグバンに始まる「とき(時間)」をイメージできるであろうか。超速度で膨張を続ける宇宙を認識することは可能だろうか。これは、理論に学ぶしかない。先人の、そして、現在も活躍を続けている研究者に感謝を申し上げ、その恩恵にあずかる。
それで、「宇宙」ではなく「時空」を採用し置き換えることにした。「宇宙」を使い続けると、生来の習慣にひきずられ「ひろがり」に支配され、理解に制限を受けてしまうからだ。

『神々の沈黙』の著者であるジュリアン・ジェインズの〈仮説〉を支持すれば、乳児の、言語野がある脳の半球(左半球とされることが多い)ではなく、もう一方の脳半球(右半球ということになる)には「神」が”いた”ということになる。本のタイトルにあるように、今では「沈黙」している。前2000年紀末までは「神」が人間に働きかけていた。4000年を経て、脳機能の”閾値(いきち)”が高くなり、乳児は神に操作されることはなくなった。4000年の間に、天動説は落ちぶれ、地動説は不動になった。
2024.11.21記す