まわりみちで子どもの心が育つ ── 擬育46

 〈ある本〉(=その本を思い出せないのだが……)を読んでいて、〈感情は7歳までにそろう〉の表記(という記憶)があった。相手(他者)の気持ちが理解できるようになるには、7歳を待つ必要がある、という意味だ。これが重要と気づいて〈ある本〉を思い出せず残念に思っていたところ、福岡伸一の『動的平衡』を読んで《心の理論》とわかった! 以来、《心の理論》を集中して学習している。必ずしも易しくないけれど、辛抱辛抱。

 すると、《「心」とは何か?》を避けることができない。「心」らしいものに芽ばえるのは1歳3か月ごろと、乳幼児の観察と体験から確信するものがある。発達心理学者のピアジェは長女ジャクリーヌが「寝たふり」をしたときが生後15か月と記している(a)。幼児の「ごっこ遊び」は、18か月に始まりその後に著しく発達するとある(b)。(a/b)ともJ・W・アスティントン『子供はどのように心を発見するか』新曜社 1995年。
 この本から引用すると(p128)──ある片方の物語では、女の子が母親にパンをもらって、それを外へ持って出て、パンくずを地面にまいた。そこへ鳥がやって来て、それを突っついて食べた。もう片方の物語では、もう一人の女の子が母親にパンをもらって、それを外へ持って出て食べると、パンくずが後ろの地面に散らばり、そこへ鳥がやって来て、それを突っついて食べた。そこで子供たちに、「どちらの女の子が鳥にパンくずを食べさせるつもりだった?」と尋ねた。すると三歳児は、正しく区別できなかった。ところが五歳児は、行為者の〈目標と結果〉が一致するかどうかを知らされなくても、意図的な行為と意図的でない行為を区別できた。なぜ五歳児が成功して、三歳児はできないのだろうか?──

 目標と結果が一致し始める年齢は《心の理論》を学ぶと4歳らしい。そこで、ピンとひらめいた。地点Aから地点Bに向かうときその距離50メートル(A→B)に満たない。林の中だ。AからBに向かって左に池Pがある。A→池P→Bの場合、池の端を少し歩いてBに出る。先日、4歳児の野外活動で、子どもたちに「探検しよう!」と声かけし、池Pに立ち寄るグループと、立ち寄らないグループに分かれ、お互いに体験の順番を入れ換え、結果としては、どちらも経験する、という試みをした。〈目標と結果〉が一致するという体験だ。子どもの様子は、おとなから見て”楽しんでいるふう”だが、《心の理論》に基づけば、4歳児にとっては意味ある体験なのだと気づくことになる。

2020.11.1記す