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 アルフレッド・ウェゲナー『大陸と海洋の起源』講談社 p342
 ※本書の解説、鎌田浩毅による
 //ハワイは、年間8cmほどの速さで日本に近づいている。髪の毛が伸びるよりも遅い速度だが、8000万年ほど後にハワイは日本と陸続きになる。// ──SFではない。地球物理学者の予測である。
 《南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)》が発出され(2024.8.8)、和歌山県白浜の海水浴場が閉鎖された。「落石注意」の警告板を横目にしてクルマが行き交うことと、どこが違うのだろう。

 太平洋プレートは、「上部マントル」と「下部マントル」の境まで沈みこむ(地中670kmの深さ)。しばらくここに留まったのち、やがて金属で構成されている「外核」まで沈み、再び留まる。この余波で地球内部の別なところで熱の塊(ホットプルーム)が地上に向け上昇し、火山噴火の要因となる。地球物理学者の解明はここまで到達していて、その成果がハワイと日本列島の接続となる。太平洋または大西洋のいずれかが消滅し、超大陸予測もなされ、アメイジア超大陸という呼び名まで用意されている。ただし、億を単位とする未来予測である。
 だから、南海トラフは真面目に予測された「巨大地震注意」なのだ。とはいえ、政府の「やってます感」満載の”さわぎ”に思えてならない。それとも、警戒の基準に運悪く出会ってしまった、ということか。宮崎の震度6弱に始まり相次ぐ地震……。注意期間の一週間が過ぎれば、次は……? 原発をやめるというなら対策になると思うが……。

 酒井邦嘉『科学という考え方』、山口幸夫『理科がおもしろくなる12話』、武谷三男『科学入門』など立て続けに読んでいて、上記の『大陸と海洋の起源』に辿り着いた。大西洋をはさんでアフリカ大陸の”右側”と南アメリカ大陸の”左側”がパズルのようにくっつきそうだ。この謎解きがテーマの本だ。すると、なんと、南海トラフの謎解きにまでなった。
 こうした「科学」の本には、アインシュタインが必ず登場する。朝永振一郎の「量子力学」に出会い「光子の裁判」を読んだ。わたしは一応、物理学や数学をちょこっとだけ若いときにかじったが、この難しい思考につきあう辛抱がない。数学は、20代でその能力を発揮するとはよく言ったものだ。「非ユークリッド幾何」も途中までつきあったが無理だった。なぜこんな苦行に挑戦しているかというと、チョムスキーの言語理論で「遊びの起源」が解けそうになったからだ。チョムスキーの言語生得論でさえ、言語学で常識になるには百年先とも言われている。でも、「遊びの起源」を生得的だと提案できるとしたら自己満足だ。それで、科学的解明について、学び直している。
 アインシュタインはわかりにくいが、ニュートン力学が働く地球内部の話はまだついていけそう。

 板倉聖宣(異名:いたずらきよのぶ)の模擬授業を、神戸大学で受けた。1970年代の遙か昔。教室に入ってくるなり「私はテイコクシュギシャです」と言い、黒板に向かって「定刻主義」と書いた。最初の問いは、「大粒の雨と小粒の雨、どちらが早く落ちてくるか?」だった。カタイ頭の学生たち(わたしも含めて)は、どちらも同じでは?と思いながらも、声を出せずにいた。「……では、この雨が降ってきたら、傘を急ぎさすのはどちら?」と言い、わたしたちをハッとさせ、笑わせた。
 南アメリカの西海岸地形とアフリカの東海岸地形が似ていると気づく小学生は多いらしい。板倉聖宣『砂鉄とじしゃくのなぞ』という本(小学生高学年向け)に、図書館で出会ってください。おすすめ!(版いろいろあり)

2024.8.15記す

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