||||| 悪魔の辞典 |||

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 スマホは辞書代わりになって便利だ(けれど、わたしは紙の辞書を併用している)。「記念碑」を調べてみると、コトバンクでは辞書の記載例が数多く出てくる。//ある人の功績をたたえたり、また、ある出来事や行事などを記念したりして建てた碑。モニュメント。また、比喩的に、ある出来事や時代の記念となるような象徴的な物事。//(日本国語大辞典) ほかにも、世界大百科事典、日本大百科全書の記載例もある。
 「希望」を調べてみよう、と言いながら、なんだかんだといろいろ出てきて、面倒になってしまった。
 わたしが手にしている紙の辞書『悪魔の辞典』には、こう、ある。
//記念碑(monument n.)記念する必要がないか、あるいは記念することが不可能なものを、あえて記念しようとする意図から建てられる建造物。//
//希望(hope n.)欲望と期待とを丸めて一つにしたもの。//
 ネット辞書には『悪魔の辞典』は採用されていない(と思う)。
※ビアス(1842~1913)『新編 悪魔の辞典』岩波書店 文庫判 1997年

 風刺のきいたもので、そういう見方や考え方もあろう、という向きが多いだろう。言いたいのは、ネット辞書に頼れば、このような風刺に出合うことはないだろう。実際、悪魔の辞典をひいて、ピンとこないものも多い。(どういうこと……?)と思案することもしばしば。だけども、調べれば、いつも正解に出会えるということもじつはおかしい。
 NHKに限らないけれど、報道や科学番組で正確さを求められると、わたしはときにうんざりする。最近では、クマ被害がそうだ。死傷者が続出しているから、軽視するつもりはないけれど、そして、識者も登場して解説する場面がある。どの番組も似たり寄ったりで、特集番組もあったみたいだが、良き市民になりたいと、わたしは思わない。『悪魔の辞典』「記念碑」項目のほうがよほど的を射ている。
 5歳の幼児が「ナンデ?」と訊いてきたときは、5歳に適した説明を試みることも多いが、必ずしも正答を返そうと思わない。「ナンデ?」と思う心こそ大切なので、分かったような利口者になってほしくない。だから、「ナンデやろなあ」と返すことも多い。

2025.12.15記す

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