||||| アンガーマネジメント(怒らない方法)|||

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ジル・ボルト・テイラー『奇跡の脳』新潮文庫 p237

//怒りの反応は、自発的に誘発されるプログラム。ひとたび怒りが誘発されると、脳から放出された化学物質(※)がからだに満ち、生理的な反応が引き起こされます。最初の誘発から90秒以内に、怒りの化学的な成分は血液中からなくなり、自動的な反応は終わります。もし90秒が過ぎてもまだ怒りが続いているとしたら、それはその回路が機能し続けるようにわたしが選択をしたからです。//

※「ノルアドレナリン」と「アドレナリン」

 90秒は長い! 怒るときは「瞬間湯沸かし器」と喩えられるほどだから、90秒という知識だけでは間に合わない。化学物質の放出は生理現象だから、これをコントロールすることは至難の業。アンガーマネジメントについては、ネットで検索すれば容易にヒットする。この技術を事前に学んで備えておくことがコツなのだろう。

 言語中枢のある左脳は「ねばならない」と決めつけてかかるような指令を行う。これに対して、右脳はアバウトだ。「かもしれない」と曖昧にしておける能力らしい。左右どちらも、同じからだが所有する脳の作用。左脳優位になりがちなので、ここは意識して右脳の出番を用意しておくということになるか。


上と同じ本 p282
// 脳卒中の前まで、自分なんて、脳につくられた「結果」にすぎないんだと考えていました。だから、押し寄せる感情にどう反応するかに口出しできるなんて、思ってもみなかったのです。頭では、認知的な思考を監視し、変えることができることには気づいていました。でも、感情をどう「感じる」かに口を挟めるなんて、まったく思いもよらなかったのです。生化学がわたしを捕らえている90秒間だけ我慢したら、その後は、さっさと解放してしまえばいいだなんて、誰も教えてくれませんでした。この事実に気づいたことが、人生の過ごし方に何と大きな変化を与えたことでしょう。//

90秒の反応能力は「怒り」に対して、だけではない

上と同じ本 p237
// わたしは、反応能力を、「感覚系を通って入ってくるあらゆる刺激に対してどう反応するかを選ぶ能力」と定義します。自発的に引き起こされる(感情を司る)大脳辺縁系のプログラムが存在しますが、このプログラムの一つが誘発されて、化学物質が体内に満ちわたり、そして血液からその物質の痕跡が消えるまで、すべてが90秒以内に終わります。//
 ※太字装飾は引用者による。

2022.6.25記す

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