||||| 擬意識脳梁バイパス |||

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 むずかしい漢字の表記で申し訳ない。「血液脳関門」をなぞらえ、その機能もヒントにした。脳は特別に外傷などから何重にも守られている組織だ。

毛内拡『脳を司る「脳」』講談社ブルーバックス 2020年
p162
//脳は頭蓋骨や髄膜などで覆われ、さらに血液脳関門によって外部環境からは完全に隔絶されています。//

 意識の正体は謎のままである。だから「擬意識」という造語で表現した。”意識”現象については「統合情報理論(ジュリオ・トノーニ)」という興味深い理論がある。意識生成の機序で脳の左右半球をつなぐ脳梁(のうりょう)が重要な役割を担ってるのではないかと注目されている。空間認識などを受け持つ(多くは右)半球と言語野がある(多くは左)半球が、脳梁を通過する神経ケーブルで情報交換している。血液脳関門は関所の役割だが、神経ケーブルは両方向通行可能のバイパスと捉えてみた。

 生後から幼児(概ね小学2年生)までは空間認識などを担う半球が鍛えられる、とわたしは考えている。「遊び」を通し、微細なことを含めて無数の「つまずき」(試行錯誤と区別した上で)を積み重ねる。つまずき報酬はレジリエンス(立ち直り)の基礎をつくる。
 学齢に達し、言語を習得し、知的生産は言語野の成果物となる。この学習過程で乳幼児体験が生かされる。擬意識脳梁バイパスを介して対半球が「参照」される。

 ここで思考実験を提案する。遊び体験が十分でなかった場合、「参照」が貧弱になる。参照資源が自身由来に不足したとき、言語野が所属する半球の課題解決に困窮する。この困窮は欲望につながり、不満や不幸のもとになる。さて、その不足を何で補うか?

2024.11.21記す

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