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スマホで自分が映る画面にする。左目、右目と視点を変えると、微妙に瞳が動く。そこで手鏡など鏡に向かって同じことをする。瞳は動かない。なぜか?
自身を映したままスマホ本体を左右上下に動かすと、顔はほとんど動かないのに背景は揺れるように動く。スマホから目を離して、自身の目で周囲の背景を眺めるとくっきり見えても”揺れる”ことはない。なぜか?
森の中で飛んでいる鳥を目で追っているとき背景の森は安定している。ビデオカメラで同じことをしたならば、森の木々は鳥に応じて動くことになろう(カメラを動かさないで動画を撮ったときは、鳥だけ飛び、背景は安定している)。
まぶたをしょっちゅう閉じているはずだが、まばたきを意識することはない。スマホ画面を何かで一瞬でも遮蔽すると(動画に撮れば、なお)まっ暗になる。ものが映るしくみは目とスマホで似ているが、「見える」しくみとは明らかに異なる。
クリストフ・コッホ『意識の探求』岩波書店p132
//サッカードやまばたきによる抑制で失われる時間の断片を丸一日分、すべて合計すると60分から90分になる。一日に、一時間以上もはっきりものが見えていない時間があるのだ。//
目が見えるしくみに似せて画像を記録するしくみはできているが、目の見えるしくみの肝心要は解明されていない。
p132
//網膜は50種類以上の特殊な細胞からなる幾重もの薄い層からできている驚くべき神経処理器官だ。その厚さはクレジットカードよりも薄い。//
目というレンズが網膜に届けるものは「光(電磁波)」であって、色がついているわけではない。電磁波を受けて、蝶、サカナは求めている対象を見分ける。
p111
//四色識者の女性は、他のいかなる人にも永遠に経験することのできない繊細な色調の違いを感じているのだろう。特に、そのような女性は、普通の三色識者にはまったく同一に見える色を区別できるだろう。//
これを天才と表現するのだろう。
ものいわぬ(意思をあらわさない?)あかちゃんは何をどのように見ているのだろう。
p107
//視覚は周辺も含めてどこもかしこも鮮明ではっきりしているように見えるが、これは強烈な錯覚である。//
「百聞は一見にしかず」の意味することは確かにそのとおりで間違っているということではないが、その「一見」は「強烈な錯覚」であるかもしれない。
2025.6.1記す
