昆虫は、卵から幼虫、成虫となる。幼虫は脱皮を繰り返して大きくなり、成虫となる。これを変態という。
新生児、あかちゃんのときを第1齢とする。1歳3か月頃、たとえば、保育園へお迎えに行ったとき、ママを目にするとまっすぐに向かってきて途中に積木や本があっても踏みつけてきたのにこれを避けて迂回するようになる。おうちでも散らかっているものを踏みつけず避けようとする。これは向かおうとする目標を1つだけでなく、身近なことにも関心が向き複数が視野に入るようになった。つまり、「考える」(にんげん)になった。これが1歳3か月頃でここからが第2齢。
(参考)三本ストロー法 ── 動物から ”にんげん” になった!
第2齢では、目前のことに関心は向くが、許容量があきらかに不足している。第2齢の後半はいわゆる「いやいや期」に相当する。1歳3か月から2歳半乃至3歳誕生日頃までが第2齢に相当する。
※二歳児の形容を「ブラブラ期」に:川田学
第3齢は2歳半乃至3歳から4歳満了時まで。「幼児」(幼児前期)と言い換えられる時期だ。
第4齢は5歳の誕生日を迎えるとグンと成長を見せる。5歳から小学2年生まで。
第5齢は、小学3年生から4年生。8歳から9歳に相当する。すっかり大きくなった幼虫だが、蛹(さなぎ)になる子がいるかもしれない。蛹であっても蛹でなくても、体(こころ)の羽化準備が進む。第5齢を終齢ともいう。
いよいよ、羽化。おとなへの変身だ。小学5年生からは「おとな」だ。
仮想現実(バーチャル・リアリティ)として子どもの発達を提案してみた。
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昆虫の場合または多くの動物、おとなになるということは、繁殖が目的となる。繁殖を終えると死を迎えることになる。
江戸時代初期の平均寿命は30歳程度であったろうとされている。子どもを平均5人産み、夫婦のどちらかが死亡するまでの結婚継続期間が江戸時代は約35年あったらしい。「おとな」の意味が、すっかり変わったということだろう。(鬼頭宏『人口から読む日本の歴史』より)
2022.11.11Rewrite
2020.9.15記す