人は変態する ── 擬育43

 昆虫は、卵から幼虫、成虫となる。幼虫は脱皮を繰り返して大きくなり、成虫となる。これを変態という。
 新生児、あかちゃんのときを第1齢とする。1歳3か月頃、たとえば、保育園へお迎えに行ったとき、ママを目にするとまっすぐに向かってきて途中に積木や本があっても踏みつけてきたのにこれを避けて迂回するようになる。おうちでも散らかっているものを踏みつけず避けようとする。これは向かおうとする目標を1つだけでなく、身近なことにも関心が向き複数が視野に入るようになった。つまり、「考える」(にんげん)になった。これが1歳3か月頃でここからが第2齢。

(参考)三本ストロー法 ── 動物から ”にんげん” になった!

 第2齢では、目前のことに関心は向くが、許容量があきらかに不足している。第2齢の後半はいわゆる「いやいや期」に相当する。1歳3か月から2歳半乃至3歳誕生日頃までが第2齢に相当する。
 第3齢は2歳半乃至3歳から小学2年生(8歳満了時)まで。「幼児」と言い換えられる時期だ。5歳の誕生日を迎えるとグンと成長を見せる。でも、それはある時期、短い幅で「なんだか最近成長したなあ」と思わせるということで、”脱皮”したというほどでもない。
 第4齢は、小学3年生(9歳)から4年生(10歳)に相当する。すっかり大きくなった幼虫だが、蛹(さなぎ)になる子もいるかもしれない。蛹であっても蛹でなくても、体(こころ)の羽化準備が進む。第4齢を終齢ともいう。
 いよいよ、羽化。おとなへの変身だ。小学5年生からは「おとな」だ。
 仮想現実(バーチャル・リアリティ)として子どもの発達を提案してみた。

 昆虫の場合または多くの動物、おとなになるということは、繁殖が目的となる。繁殖を終えると死を迎えることになる。江戸時代初期の平均寿命は30歳程度であったろうとされている。子どもを平均5人産み、夫婦のどちらかが死亡するまでの結婚継続期間が江戸時代は約35年あったらしい。「おとな」の意味が、すっかり変わったということだろう。

2020.9.15記す