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季節が一気に進み、クリスマスの季節になった。コロナ禍が明けて(不安ながら……)園のクリスマス礼拝に招待を受けるようになった。衣装を身にまとった年長さんクラスは降誕劇(ページェント)で長いセリフを言ってのける。クリスマスだけが特別なわけでなく、毎日の食事前には神様に祈りをささげる。「天のかみさま……」。30分を超える長いお役目が終わり、観劇しているわたしは感想を求められた。
──「てんのかみさまは、おそらのどこにいるのかなあ~」と問いかけてみた。おとなと違って、幼児のレスポンスは早い! 張り上げるような大きな声にはならず、「くものうえ……」と、つぶやきがちらほら。
さて、おとなのみなさんは、どこにいると思いますか?
「天の」と冠があれば、空高くのどこかに……。幼児には対象物が必要で、それが基準となる。空にあるのは雲だから、雲の上ということになる。宇宙のどこか……、というわけにはいかない。空の「くも」は幼児にはとても便利な物語を提供してくれる。カミナリさんがいるし、孫悟空のように乗り物にもなる。おひさまを隠して、かくれんぼを想像させる。「くも」は、身近な存在でありながら、とっても遠い遠い場所。だから、雲の「うえ」なら、かみさまがいるところとなる。
◇
今から3000年もむかし、人間は神と”実際に”対話していた。超能力ではなく、リーダーは神と対話することで村を治めていた。時代が下って、神との対話が希薄になり、神の再来を願って「祈る」儀式化が進んだ。ジェインズ『神々の沈黙』を読み学んだ。この”知見”を得たことでわたしは、手をあわせ、目を閉じ、祈りを「わが脳の右半球」に届けるようになった。つまり、わたしにとっては、神は脳の右半球にいらっしゃる。
右半球は空間認識やイメージが得意だ。幼児にとっては「くものうえ」ということになるのだろう。
2024.12.15記す
