脳研究の三本柱 | 学習ノート

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その1:脳障害の記述(歴史)

p81
//脳障害の記述に始まった脳科学の歴史は、現在、マウスをはじめとする実験動物の恩恵にあずかって発展を続けています。//

p75
//中世ヨーロッパでは、長らく「心」の座は心臓や体の別の部位にあるというのが当時の哲学者らの一般的な考え方で、脳は単に血液を冷やすために存在していると考えられてきました。//
※「アタマ冷やしてこい!」の言い方もあながち当たっているということかな?

  • p76//理性や創造性、将来の計画など「人間らしさ」を担う//前頭前野を損傷した事例。1848年。
  • p76//「人の言っていることは理解できるが、言葉を発することができない」という失語症//は言語中枢 ブローカ野を損傷した事例。1861年。
  • p77//「話す言葉は明瞭だが、言葉同士に脈絡がなく意味不明であり、他人の言葉に対する理解が悪い」症状で言語中枢 ウェルニッケ野を損傷した事例。1874年。

p78
//脳の特定の部位が特定のはたらきをするという「脳の機能局在」という考え方は、現在では受け入れられています//

p79 上図
//20世紀半ばに、カナダの外科医であるワイルダー・ペンフィールドは、ヒトの患者の大脳皮質を電気刺激し、どの部位を刺激するとどんな感覚が生じるか、体のどの部位が動くかなどの対応関係をまとめて脳の地図を作り上げました。//

p80 上図のつづき
//この模型は、小人を意味するホムンクルスと呼ばれていて、脳はすべての感覚を等しく扱っているわけではないということをわかりやすく教えてくれます。//

p80
//現代ではバイオテクノロジーが発展して、遺伝子の操作や編集がたやすくおこなえるようになりました。これによって、遺伝子一つ一つが私たちの行動や健康に与える影響というのがわかるようになってきています。「脳」というブラックボックスに対して、遺伝子組換えという入力を与え、その結果出てくる変化を観察することで、脳を理解しようとしているわけです。実際、この方法によって飛躍的に脳の理解が進みました。//

p80
//ある遺伝子のはたらきを過剰にしてやることで、肥満になるなどの目に見える変化です。//

その2:電気的な測定

p87 //20世紀はまさに「電気生理学黄金時代」//

p84
//脳に限らず、筋肉や心臓に代表される生体組織は、電気的な活動を示します。生体組織の電気的な特性に関する研究の歴史は古く、1790年、イタリアのルイージ・ガルヴァーニが、カエルの脚の筋肉を用いた観察から生体電気現象を発見したことから始まります。
 カエルの筋肉の研究をしていたガルヴァーニは、雷が鳴ると鉄の柵の上にかけておいたカエルの脚の標本が激しく痙攣するという現象を目撃し、「筋肉は電気によって動くに違いない」という確信を得たと言われています。それ以来、生体電気現象に関する研究が生理学の大きな興味となり、電気生理学として発展しました。//

その3:顕微鏡技術

p93
//ゴルジの弟子のサンティアゴ・ラモン・イ・カハールは、脳細胞同士は直接の接触はなく、独立したものであるというニューロン説を唱えました。しかしながら、当時の顕微鏡技術では、神経細胞同士が融合しているのか、それとも間にすきまがあるのかを判別することはできませんでした。この見解の違いから、この師弟は仲違いをしてしまったと言われています。1906年に、ゴルジ、ラモン・イ・カハール師弟は、神経系のかたちを明らかにした業績が讃えられてノーベル生理学・医学賞を受賞しました。しかしながら、受賞後もお互い譲らず、仲直りすることはなかったそうです。
 20世紀になり、ナノメートル(nm)という非常に小さいものを観測できる顕微鏡が開発されて初めて、ニューロンとニューロンの間には、すきまがあることが証明されました。//

p94 //電気活動がなくても“視える”蛍光イメージング//

p95
//下村脩とロジャー・チェン、アメリカのマーティン・チャルフィーは、蛍光タンパク質に関する業績により、2008年にノーベル化学賞を受賞しました。//

p96
//たとえばグリア細胞は、活動時にニューロンのように目立った電気が発生しないため、これまで電極を使ってはたらきを評価することができませんでした。しかし、この蛍光タンパク質を使った方法によって、これまで謎に包まれていたグリア細胞をはじめとする脳のさまざまな生理現象や、病気などの要因がありありと見えてきたのです。//

2022.10.16記す

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