||||| 昆虫に「こころ」は、あるか? |||

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 勤務していた学校では敷地隣に養蜂業者の巣箱が30ほどあった。1箱当たり1万匹がいるという。来客をたびたび養蜂場に案内していた。
 ハチに刺されそうになるときは兆候がある。プーンという羽音が大きくなると要注意だ。数年前のある日、わたしが現場に近づくと黄色点滅になることが多くなった。あるときは攻撃を受けた。来客は刺されない。わたしだけが攻撃される。ハタラキバチの寿命は1か月ほどらしいが、1か月を超えて繰り返された。そうした学習は(遺伝するのか?)と、身をもって思うようになった。だから、わたしは何度も刺された。それから数年経つからか、今では大きくなる羽音を聞かなくなった。

 『日経サイエンス』2023.9月号の記事〈昆虫に「心」はあるか〉をこのほど読んだ。総8ページでレポートとしてはダイジェストだ。
(1) //偶然に観察されたこの結果は昆虫に感情のようなものがあることの正式な証拠にはならなかったものの、それが存在する可能性が高まった。//
(2) //これらの実験は単に気が利いているだけでなく、ハチにポジティブな感情のようなものがあることを示すさらなる証拠だ。//
(3) //ハナバチなどの昆虫は自分がどんな状況で傷ついたかを長期記憶として覚えているほか、組織の損傷を感知する特殊なセンサーがあり、他の感覚刺激を処理して記憶する脳領域に接続されている。//
 驚く。驚かされる。
(4) //皮膚に止まった蚊をたたいたときのように即死であれば蚊が苦しむことはほとんどない。// としながらも、苦痛を感じるのであれば、昆虫に感情がある可能性によって、やむを得ず行う実験あるいは昆虫養殖等において昆虫に対して倫理的義務が生じる、 としている。
 L.チェツカー(ロンドン大学クイーン・メアリー校の感覚・行動生態学教授)の署名がある。原題:The Inner Live of Insedts

2023.11.12記す

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