||||| 保育士養成校の卒業式で話したこと |||

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 ご卒業おめでとうございます。今はホッとしていることでしょう。2年間がアッという間に過ぎたということでもあるでしょう。わたしがみなさんに言いたいことは、保育士をやめないで欲しい、ということです。
 少子化という言葉が世間でいわれています。2050年には何人になると叫ばれています。少子化がずっと続いているわけですから人口は確実に減っていきます。地球の温暖化が続いています。炭酸ガスを減らさない限り温暖化は止まりません。人口が減って困ると言われていますが、ほんとうにそうでしょうか。それは困る人がいるからでしょう。
 あかちゃんはママのおなかのなかでママの声をきいています。ドイツ人のあかちゃんはドイツ語の音韻でおぎゃーおぎゃーとないて生まれます。フランス人のあかちゃんはフランス語の音韻でおぎゃーおぎゃーとないて生まれます。日本人のあかちゃんは日本語の音韻でおぎゃーおぎゃーとないて生まれます。生成AIが話題となって、わたしたち(学生の表情をみながら)の仕事が将来なくなるのでは?と思ったりもしますが、あかちゃんはそうやって生まれるのです。
 わたしは今も保育園で子どもたちと野外活動をしています。その子たちをみて、ポップコーンのように弾ける子どもをみて(実習で経験した学生の子ども表現)わたしは不安になります。10年後、20年後、30年後どうなるのか。みなさんも自分のトシに10年、20年、30年をたしてみてください。
 小中高、比べることはよくありませんが、幼児と接している先生のほうが大事で処遇はもっとよくなるようにならなければなりません。
 少子化はお隣韓国でも進んでいますし、ヨーロッパや先進国どこでもです。日本だけではありません。いのちを大切にすることが必要なのです。子どもに携わる仕事が一番大事なのです。
 少子化が進めば保育施設は減るでしょう。しかし、保育士の仕事はもっと広がるように思います。すでにコンシェルジュという言葉が保育でも使われています。看護師は助産師や保健師への道がひらけます。園ではなく地域で働く役割も出てくると思います。
 きょうはホッとする日です。でも、来月からは仕事に就き、特に一年目は厳しい。やめないで欲しい。職種は変わっても保育に関わる仕事はやめないでください。

 昨日14日は神戸こども総合専門学院(保育科2年課程)の卒業式でした。講師代表として祝辞を述べる機会がわたしにありました。

2024.3.15記す

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