||||| ♪ろーそく いっぽん きえた |||

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 想い出した?

 東北・石巻の保育園の園庭で子どもらと遊んでいたとき、「まぜて」と声をかけられた。意味はすぐにわかった。仲間に加えて欲しいのだ。関西では「よして」または「よせて」だ。
 こんどは神戸の園庭。「あとからきても よしたるよ」と大きな声で叫ぶ。今の子はやさしい。わたしたちのときは「あとからきたら よしたらへん」。さあ、果たして、”宣言どおり”寄せなかったのか。それは、もう思い出せない。
 遊び仲間に加わるとき、立てられている指をつかんだ。つかむと自分の指を立てた。そこをまた誰かがつかむ。繰り返すうちに、そこらにいる子らのほとんどが、または皆が、指をつかんだ。「♪たーかいやま くぅずした」。指の山が消えると、「♪ろーそく いっぽん きえた(けした)」……「きえた」じゃなくて「消した」だったかも……。

 鬼を決める。「じゃんけん ほーい!」。子らの呼吸は絶妙だった。「最初はグー」という取り決めは余計なお世話。タイミングは阿吽(あうん)呼吸で決まる。

 このようにして遊んだ記憶、どれほどの年代まで継承されてきたのだろう。いや、それとも今もどこかで興じられているのだろうか。ノスタルジアで記しているのではない。子どもたちは、こうした遊びを通して、連帯を学ぶ。心の機微を身につける。「いのち」を燃えさせる。
 音楽史家の小島美子(こじま・とみこ:1929年生まれ)は、わらべうたを高く評価し、かこさとしも主張するように、わらべうたが先導する子どもの遊び(群れ)は1990年代に国内で消滅したと思われる。

 波打ち際の自然回復は早い。藻類学者の故・広瀬弘幸氏(神戸大学)は1年で回復すると言った。「♪ろーそく いっぽん きえた」を回復させ、子どもの遊び集団を再生させたいと真に願う。

2024.5.15記す

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